2011年04月27日

上海ストライキとジャスミン革命

 運転手や運送会社の要求を、上海市がほとんど呑む形で収束を見せた上海ストライキを組織したとの声明文が、中国独立工会連合会なる団体から出ました。

 なんと、中国ジャスミン革命の発起人でもあると主張しています。

 中国ジャスミン革命公式サイトでは、

「死者、負傷者リストを公表するか」
「運転手の要求を呑むか」
「報復や批判、取り締まり拡大などを行わないか」


 などの点で、上海市が「人民側にいるのか、人民の敵なのか」見極めたいとの見解を出していましたが、なるほど中の人が同じなのですか。

 中国独立工会連合会、中国ジャスミン革命発起人共同声明(2011/4/25 博訊)
http://www.peacehall.com/news/gb/party/2011/04/201104250712.shtml
 声明は両団体の連名で出されており、寧波市(浙江省)、天津市、深セン市(広東省)でも独立工会支部が組織され、寧波市では上海市より早い4月15日からストライキを開始。

 貴州黎陽航空發動機公司におけるストライキも、同会の組織によるものと主張しています。

 また、佛山市(広東省)のタクシー運転手ストライキについても関与を表明。これが酷い労働状態で、

2回の交通違反で警察の罰金以外に会社が5000元の罰金制度の廃止
365日全日出勤、12時間労働などの労働状況を改善
指定業者での強制車検制度とその費用負担の廃止


 など、運転手側の要求が明らかにされており、追い詰められているとしか言いようの無い状況が浮かび上がってきています。

 罰金は2か月分の収入に匹敵し、指定業者の修理費用は他所より高額と、ありえない位にあくどい会社。ただ、中華全国総工会という共産党系の労働者団体ではなく、独立工会連合会が組織しているというのがこれまでと違う点です。

 去年は広東省で日系企業を中心にストライキが連続して起きたものの、仲裁に入ったのは中華全国総工会でした。ここの力を借りないから独立工会を名乗っているのですね。

 中華全国総工会公式サイト
http://www.acftu.org/
 ちなみにここのトップは王兆国・全人代副委員長(政治局委員)。サイトを見れば、どういう方向性かわかると思います。

 共同声明では、「全国的なストライキを起こし、要求を受け入れるまで止めない」と結んでいます。上海で成功例がある以上、党中央もジャスミン革命みたいに公安を総動員しても問題が解決するわけではありませんし、アイ・ウェイウェイら人権活動家を片っ端から拘束したのは一体何だったのか状態に。

4月30日、5月1日ジャスミン革命公告
http://molihuaxingdong.blogspot.com/2011/04/43051.html
 さて、次回のジャスミン革命は4月30日とメーデーの5月1日に開催されます。国内75都市で、以前よりも更に開催地が増えています。何ヶ所かは私も行ったことがありますが、見事に繁華街ばかりですね。

 

11032201.JPG

 なかでも注目の北京は、天安門広場中央にある人民英雄記念碑(黄色)。

 そりゃ無理だろみたいな場所ですが、他にも繁華街など10ヶ所がお待ちかね。上の地図は第5回のものですが、青色の各大学は予告されていないものの、公安としてはあるものとして警戒を緩めることは無いでしょう。

 北京と上海限定イベントなのですが、毎週月曜はマック、火曜はケンタ、水曜はピザハットに集合と、公安さんの負担増を狙った設定がしびれます。木曜はディコス、金曜は永和大王とかでもいいのでは。

 メーデーは日本では左巻きが集まってシュプレヒコールを挙げるだけの日でしかありませんが、アニバーサリー女みたいな記念日好きの中国では政治的な意味で現役。労働者が団結して権利要求を行う日ですよね。北京に行きたくなってきました。

 ところで、「常務委員の財産公開」「アイ・ウェイウェイや無実の人への迫害を止めろ」「信教の自由を保障しろ」などに混じって、「呉邦国は故郷に戻ってサツマイモを売ってろ」とあるのですが、これはどういう意味ですか。
posted by aquarelliste at 16:38| Comment(0) | TrackBack(0) | ジャスミン | 更新情報をチェックする

2011年04月22日

上海市ストライキ3日目

 20日から続くコンテナ車運転手の待遇改善を訴えるストライキは、3日目の今日も続いています。

 21日には2000人前後が警官隊と衝突。「政府に我々の問題を解決してもらいたい。もう耐えられない」と、コンテナ車で道路を塞ぎ抗議し、一部の抗議者が逮捕されるとそれに抗議するため参加者が増えてしまう悪循環に突入しているようです。

 上海市コンテナ運転手のストライキが3日目に突入(2011/4/22 ロイター中文)
http://cn.reuters.com/article/CNTopGenNews/idCNCHINA-4187920110422


大きな地図で見る

 集合地点となっている宝山区は、上海市の北部にある港湾地区です。

 3日目の今日は運転手が約600人集まり、参加していない運転手の車両に石をぶつけて、少なくとも1台のウインドウが割られており、参加者の多くが個人でやっている下請けであることから、会社に属しているかひよったのではないかと思われます。

 来週月曜に上海市の関係部機関が運転手の代表と会見し、回答すると現場の警官が記者へ明かしています。

 現場を去ろうとしない運転手に「帰りなさい。双方の代表が話し合って回答するから」と拡声器で説得を続けるものの、運転手側は「何の答えももらってない」とストライキの継続で対抗。

 元々の計画では週末までとなっていましたが、そうした動きがある以上少なくとも月曜までは続けるつもりなのでしょう。

 土日に限ったデモと異なりストライキである以上、貨物の運行に徐々に影響が出るのは時間の問題で、既に「多くの貨物船が荷物を満載でいないまま出航している」としており、香港や米国行きの貨物船は「20%から40%程度しかコンテナを積めていない」と現状を説明。じわりじわりと来ております。

 燃料費高騰、雑費徴収で運転手ストライキ(2011/4/21 東方日報)
http://the-sun.on.cc/cnt/china_world/20110421/00429_017.html?pubdate=20110421
 東方日報の取材によると、先に給料カットされた税関職員がダレてろくに仕事をしないため、積み下ろし作業に時間がかかり、少しでも多く運びたい運転手らは怒り心頭なんだそうです。あー、官民衝突じゃないですか。

 運転手側も収入が全く途絶えてしまうわけですし、まさに身を削る思いでのストライキですが、ロジスティクスセンターなど物流業への影響は確実に広がっています。まさに我慢比べ。

 上海市以外でも、天津市、寧波市(浙江省)でも同様のストライキが行われており、五一労働節を直前にして、それまでに解決して連休に入りたい党中央や上海市は焦っているのではないかと。他地区との連携という、今まで無かった動きに発展するやも知れません。続きを読む
posted by aquarelliste at 21:30| Comment(0) | TrackBack(0) | ジャスミン | 更新情報をチェックする

2011年04月21日

上海ストライキ事件続報

 相次ぐ石油価格高騰、港湾側による謎の「雑費」徴収などコストはかさむ一方なのに、収入である運送費はここ数年据え置き。

 「時間の問題だった」と、参加したあるコンテナ者運転手が切羽詰った事態を吐露しています。既に稼ぐ事が出来なくなった運転手たちは、運送費の値上げと燃料価格高騰への対処を求め、ストライキに打って出ました。

 昨日の午前10時から始まったストライキは、上海市に登録がある業者の6割に当たる千人前後が集まる大規模なものになりました。

 当初集合場所となっていた宝山区物流園区は防警、公安などにより午前中に封鎖されて入れなくなったため、午後からは浦東高橋港区に場所を移して継続。

 参加した運転手の1人、劉さんは「政府に出てきてもらいたいだけだ。ケンカしに来たんじゃない」と話しているものの、例によって上海市機関紙の解放日報を筆頭に、現地メディアは取りあえずスルー。

 ただし財新網はしっかり報じたみたいで、転載先の新浪網なども一斉削除されたものの、削除忘れを発見しました。

 上海市コンテナ運転手が集会 運送費値上げ要求(2011/4/20 財新網) 
http://bit.ly/ev0Si1
 これによると、2010年末の値上げまでは月収で4000元から5000元程度得られていたものの、度重なるディーゼル油の値上げにも関わらず支払われる運送費は変わらず、手元にほとんど残らなくなっている状態だといいます。

 ネットに書き込まれた未確認情報では、死者3人、負傷7人(警察側にも負傷者数名)とあり(博訊)、本当なら兪正声へとばっちりが来そうな予感。

 それが本当かどうかは知らんが少なくとも流血は見た、連行されるのもみたとの目撃情報が複数から得られており、ストライキ参加者と警官隊と衝突があった事を物語っています。

 また、強制立ち退きを余儀なくされた被害者も集会に参加したとあり(博訊)、対抗するため警察当局は6000から7000名を動員したとなっています(RFA)。集会参加者も、最終的には1000人では済まなかったのではないでしょうか。

 「燃料の値上げはきっかけ。政府が出てきて港湾側の費用徴収が透明化されればと思う」。場所は変われど、構造はどこも同じなのですね。上海市や党中央がこれらの声にどう応えるのか、対応を待ちたいと思います。

=====

 ここからは余談になります。昨日のツイートを整理しただけです。

 上海市のトップを務める兪正声は、80年代に兄が米国に亡命して政治的に遠回りを余儀なくされています。太子党時代到来と共に、来年の党大会は最初で最後の政治局常務委員になれるかどうかの瀬戸際なのであります。

 兪正声は来年67歳。常務委員の定年は68歳ですから、まさにギリギリ。常務委員になれれば5年政治生命が延命できますが、昇格がかなわなければ政治局委員の定年(63歳)に引っかかるので引退は避けられません。

 どこでもありそうな雑費の徴収を理由にしたストライキが、他でもない上海市で発生したというのは興味深い点です。

 王岐山は常務副総理、薄熙来は政法委書記、李源潮は紀律委書記にほぼ内定していますから、兪と同じく引退の瀬戸際に立っている劉雲山か張徳江あたりか、太子党が邪魔な共青団の差し金か、と色々考えられますねえ。

 それらを差し引いても、対応次第では兪正声が上海市トップのまま無事に引退できるかも怪しくなるわけで。党大会を来年に控え、面白そうな動きであります。
posted by aquarelliste at 11:48| Comment(0) | TrackBack(0) | ジャスミン | 更新情報をチェックする

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