2012年11月15日

胡錦濤惨敗の人事

 「11時頃」という緩い時間に設定された、常務委員のお披露目。12時近くまで押した結果、先に速報が出てしまいました。解説の中の人、お疲れ様です。

 習近平総書記、中央軍事委員会主席の誕生であります。速報はその他6人の顔ぶれと序列の発表がありました。

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 常務委員の序列は習近平、李克強、張徳江、兪正声、劉雲山、王岐山、張高麗となりました。王岐山はさっそく本日開かれた中央紀律検査委の会議で、書記に就任しております。

習近平(59) 党総書記、中央軍事委員会主席、(国家主席)
李克強(57) (国務院総理)
張徳江(66) (全人代委員長)
兪正声(67) (全国政協主席)
劉雲山(65) 中央書記処常務書記、(中央精神文明委主任)
王岐山(64) 中央紀律検査委書記
張高麗(66) (国務院常務副総理)
 ()は就任予定のポストです。李克強が序列第二位となったことでまさかの全人代委員長、というのはありえないでしょう。王岐山を紀律委に葬った甲斐がありません。国務院を全人代より優位に立たせた、胡錦濤唯一の功績といえます。

 年齢を見れば一目瞭然ですが、トップ2以外は一期のみとなります。政治局委員に昇格した第五世代が、二期目に食い込んでくるのは明らかですね。

 また、常務委員が7名に減少したことで、政法委書記が政治局管轄に格下げされています。劉雲山が常務委員になりましたので、宣伝部門は常務委員が引き続き監督し、国家副主席が格下げになりそうです。

第18期一中全会、中央政治局委員を選出(新華社 2012/11/15)

 常務委員を除いた政治局委員を紹介します。なお、68歳以上の政治局委員である、王剛、王楽泉、王兆国、回良玉、劉淇、徐才厚、郭伯雄は引退となっています。

馬凱(66)国務委員、国務院秘書長
王滬寧(57)中央書記処置、(宣伝部長)
劉延東(67)国務委員
劉奇葆(59) 中央書記処書記、四川省委書記
許其亮(62) 中軍委副主席
孫春蘭(62) 福建省委書記
孫政才(49) 吉林省委書記
李建國(66) 全人代副委員長、秘書長
李源潮(62) 中央組織部長
汪洋(57) 広東省委書記
張春賢(58) 新疆ウイグル自治区党委書記
范長龍(65) 中軍委副主席
孟建柱(65) 国務委員、公安部長、武装警察第一政治委員
趙楽際(55) 中央書記処書記、陝西省委書記
胡春華(49) 内モンゴル自治区党委書記
栗戦書(62) 中央書記処書記、中央弁公庁主任
郭金龍(65) 北京市委書記
韓正(58)上海市市長

 劉延東、汪洋、李源潮といった胡錦濤に近い人たちが政治局で足踏み。特に李源潮は直前まで有力視されていましたので、本当に全人代副委員長辺りで生涯を終える、王兆国ルートかもしれません。

 また、重慶市委書記入りとも言われていた周強が政治局入りを果たせず、胡春華と韓正、劉奇葆位しか子飼いがおらず、常務委員会でも政治局でも胡錦濤さん惨敗となっています。

 習近平に次期総書記を獲られた時点で胡錦濤の目標はその後というのは誰でも分かることですが、これで次への布陣になりうるのか。組織部長、宣伝部長は抑えられています。

 江沢民の片腕として政敵をバンバン倒していった曾慶紅のような人物が、胡錦濤にはいなかったというのも原因かもしれません。曾慶紅は江沢民引退後に常務委員入りしましたが、胡錦濤にそんな使える人物はいませんし、必要なポストも押さえていません。

 驚きなのは、栗戦書が政治局委員に昇格している点です。弁公庁主任は温家宝から政治局には出席できるが投票権は無い候補委員でした。候補委員と正委員の違いはそこだけですが、候補委員と中央委員では雲泥です。

 令計画が中央委員のままで、候補委員に押し込めなかった辺りに胡錦濤の限界を感じると共に、いきなり栗戦書を政治局委員に引き上げられる習近平さんは味方が多いのだと思います。

第18期一中全会、中央書記処成員通過(新華社 2012/11/15)

杜青林(66) 全国政協副主席
趙洪祝(65) 中央紀律委副書記
楊晶(59) 国家民族事務委員会主任

 楊晶は戴秉国に替わる少数民族枠ですね(適当)。

中央軍事委員会名簿

 副主席の2人と、ヒラ委員の常万全、房峰輝、張陽、趙克石、趙又侠、呉勝利、馬暁天、魏鳳和7人の内、胡錦濤大先生に近い人間がどれだけ入っているのか。銃口から政権が生まれるのなら、大逆転はここにあるはず。さて、明日から香港紙を当たっていきますか。
posted by aquarelliste at 23:30| Comment(2) | TrackBack(0) | 十八大 | 更新情報をチェックする

2012年11月10日

十八大開幕式をただ鑑賞してみた

 「90分にわたる胡錦濤報告」と聞いて、既に腰が引けていますが、なるべく頑張ります。



 いつもの入場曲に合わせて、まず胡錦濤と江沢民が入場しました。昨年の辛亥革命でもそうでしたが、介添え人がぴったり後ろに張り付いていますね。

 そして、李鵬、呉邦国、朱鎔基、李瑞環、温家宝、賈慶林、李長春、宋平、尉健行、李嵐清、習近平、李克強、呉官正、曾慶紅の順番で入場しているのが確認出来ました。江沢民と李鵬が介添え人付きです。主席台に名前のあった喬石、万里は欠席です。この2人はいつからこの手の式典を欠席しているのでしょうか。

 中国共産党設立90周年記念式典でも同じような事をやっているので、特に珍しいわけではないです。

 毛沢東はどうだったのか、と九大を見てみましたが、1969年でまだ弱ってませんでした。十大か第10期の中央委員会を狙い撃ちしないとダメですね。


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 全員同じ服じゃねえか。未来少年コナンか。

 なお、主席台の最前列は上記現役常務委員、常務委員経験者、現役政治局委員、中央書記処書記に加え、中央軍事委員会副主席も顔を見せています。なるほど、党大会直前にねじ込むと、こういうお披露目が出来るわけですね。

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 ただ、中央書記処書記を令計画と交代していない栗戦書は、最前列にはいませんでした。中央書記処は「中央委員とは違うのだよ、中央委員とは」なので、中央委員の栗戦書がこの列に入る事は出来ないのでしょう。

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 カメラが自分の近くに来ると、出席者がさりげなく真面目に演説を聞き出す体勢に入る伝統は失われていません。

 李鵬などは辛亥革命記念式典では取り繕う元気もありましたが、今はもうその余裕もないようです。

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 まだ王滬寧などはあからさまです。

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 私は常務委員経験者を嘗め回すように映像に収める理由を、老化を強調するためだと考えています。宋平などは晒し者でしょう。

 現役を退いても髪を黒々と染め、影響力を誇示しようとする輩は減りませんが、容貌は年々衰えていくのです。

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 象徴的だったのはこの朱鎔基です。単独で朱鎔基を見ても十分老化を感じるのですが、胸の名札に使われている写真は現役時代のものですから、少なくとも15年以上前に撮影されたもの。このギャップは辛いですね。

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 香港紙が「現役時代より若い」と評していた曾慶紅も、入場時のキビキビとした動きは時折葬式で確認できていたのですが、どうも無理をしている気がします。

 念のため、主席台最前列の席順を。

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ラベル:胡錦濤 江沢民
posted by aquarelliste at 08:47| Comment(2) | TrackBack(0) | 十八大 | 更新情報をチェックする

2012年11月08日

十八大予備会議人事

 11月8日から14日までの日程で、北京で中国共産党第18回党大会(十八大)が開幕します。前日である7日は予備会議が開催され、常務主席団41人と、大会の仕切り役である大会秘書長、副秘書長などが選出されました。

党十八大、予備会議開催 胡錦濤会議を主催(新華社 2012/11/7)

党十八大主席団、第1回会議開催(新華社 2012/11/7)

 予備会議で習近平が秘書長に選出され、劉雲山、李源潮、栗戦書が副秘書長に選出されています。

 秘書長は常務委員、副秘書長に中央宣伝部長と中央組織部長を兼務する政治局委員、そして末席に党弁公庁主任という並びは前期と変わりなしです。

 前期は国務委員を兼任する政治局委員の周永康がここに入っていたのですが、十七期に該当する孟建柱は中央委員であり中央書記処書記でもありませんので、副秘書長人選からは外れています。

 下記に十五大から十八大の秘書長、副秘書長の変遷をまとめてみました。色分けが出来ませんでしたが、十五大には丁関根と曾慶紅の間に温家宝も名を連ねています。

 丁関根以外の政治局委員はその後常務委員入りしてるんですよね。劉雲山、李源潮も固いのでしょうか。

書記処常務書記:胡錦濤(15)→胡錦濤(16)→曾慶紅(17)→習近平(18)
宣伝部長:丁関根(15)→丁関根(16)→劉雲山(17)→劉雲山(18)
公安部長:羅幹(16)→周永康(17)→無し(18)
組織部長:曾慶紅(16)→賀国強(17)→李源潮(18)
弁公庁主任:曾慶紅(15)→王剛(16)→王剛(17)→栗戦書(18)

第18回全国代表大会代表資格審査委員会名簿(新華社 2012/11/7)

 賀国強が主任に、李源潮がすぐ下の副主任に選出されています。前期では当時中央紀律検査委員会書記だった呉官正が主任、副主任に同じく当時中央組織部長だった賀国強が来ています。

 普通に考えればここに来て常務委員入りが怪しいといわれる李源潮が、前期と同様に中央紀律検査委員会書記を襲うのですが、中央組織部長が人事のお仕事を担当するのは当然ですので、これだけで確定とは言えません。

 今後の人事日程ですが、党大会で中央委員が選出され、誰が引退するのかが判明します。ここでほぼ常務委員は確定できますね。

 14日に党大会が閉幕し、翌日から始まる第18期一中全会で政治局常務委員の顔見せと序列の確定、政治局委員も発表されます。私を含めて、「消息筋」からの情報として予想をした各紙が赤っ恥をかくわけです。
posted by aquarelliste at 12:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 十八大 | 更新情報をチェックする

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