2014年07月09日

重慶青年報の主張はどれくらい受け入れられているのだろう

 重慶青年報の記事については、ツイッタ―で色々書いてしまったのでもういいかなとも思いましたが、意外と関心が高そうなので、再編成してみました。

 事の次第を簡単にまとめると、7月3日付の重慶青年報が、公共広告欄の4面に、「日本は再び戦争を望むようになった」との文言と共に日本列島が描かれ、広島と長崎にきのこ雲のイラストが書き込まれた地図を掲載。岸田外相が抗議したという流れ。

 中国国内でも批判を受け、電子版(紙面と同様のレイアウトが見られる。通常のサイト記事とは別にあり、PDFがダウンロードできる)からは削除して見られなくなっています。

 そこは日本でも報じられていますけど、重慶青年報の通常記事財経の転載記事などはそのままだったりします。

 折しも七七事変、盧溝橋事件の77周年記念という中途半端なタイミングなのに、「党と国家の指導者が出席します」なんて予告をして、国家的イベントに格上げするなど、集団的自衛権解禁について共産党が警戒している時期なのは明らかです。

 この辺りの過剰反応は、津上先生の「党中央が率先して反日やってる」説がしっくりきます。

 メルケル訪中の当日にぶつけてリカちゃんと張徳江を欠いても、格上げして出席しなければならないくらいに切羽詰っているのでは、という私の邪推を埋めてくれるありがたいお説です。

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※実際の紙面は多分こんな雰囲気

 さて、原爆イラスト(なぜか日中両方のメディアともきのこ雲という表現ですが)ばかり話題になっていますけど、ここはその隣の5面に来ている特集を注視しなければいけません。

日本に対し、友好的過ぎなかっただろうか(重慶青年報 2014/7/3)

 第二次大戦の「殺人鬼」である日本の手の鮮血が乾かぬうちに、集団的自衛権の解禁という武器が、再び「殺人犯」のもとに戻った。

 という書き出しから、環球時報感というか懐かしの糞青テイストが感じられます。いや、かっこ書きしたら何やってもいいとか思ってるんでしょうかね。

 10年前にアジアカップの敗戦で暴れてた学生も、もういいおっさんでしょうから、そういう手合いが記者に紛れ込んでいるのかもしれません。

 カスみたいな書き出しに比べ、中国人の本音が見え隠れするようなことを書いてるのがその後で、「民衆と軍国主義を区別して対応するのは、感情的に誤り」と指摘している点です。

 これまで中国の公式見解は、両者は別物であり、一部の軍国主義者、あるいは右翼と大多数の民衆は無関係というものでした。

 これが虚構なのはこしらえた当初から中国側も分かっていたでしょうが、その虚構は中国側でも崩れかけているのかもしれません。

 軍国主義者は右翼とほぼイコールと考えて差し支えないでしょう。

 東京都知事を4期務めた石原慎太郎は中国における代表的な右翼ですが、4回の選挙ともトップ当選を果たし、子分の猪瀬が後継者になるという、公式見解からすれば東京都はボクも私も右翼状態。

 もちろんそんなわけはないのですが、こうした事実から「例の公式見解って虚構だよね」と考える中国人がいてもおかしくないのです。

 軍国主義は何もないところからは生まれない。日本の民衆がその誕生の土壌なのだ。最近のアンケートでも、大部分の民衆が「集団的自衛権」の解禁を支持している。

 感情的に、民衆を軍国主義から切り離すのは、歴史的に事実には合わない。
 まさにその通り。公式見解異を唱える主張が、よく通ったなと感心してしまいます。

 「右翼は虚構」説は実際、どの程度中国人に受け入れられているのでしょうか。これが、戦中に爆撃を受けた重慶独特のものなのか、中国全土でうっすらながら共感されている考えなのでしょうか。
posted by aquarelliste at 16:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 日中 | 更新情報をチェックする

2013年09月08日

新華社のオウンゴールに色めくメディア

 2020年のオリンピック開催が東京に決まりました。おめでとうございます。ありがとうございます。

 さて、新華社が誤報をした件について。

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※イスタンブールが二位投票で選ばれたからだな
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※微博でもご丁寧に誤報

 中国時間の本日午前3時10分(日本時間午前4時10分)、新華社が「イスタンブールが2020年夏季オリンピックの開催権を獲得」と速報を流し、各社が一斉に転載。

五輪招致、東京「1位通過」も一瞬ヒヤリ…その後大きな拍手に(産経新聞 2013/9/8)

 ロゲ会長が1度目の投票結果で、「イスタンブールとマドリードが同票」と先に発表して混乱させたようで、現場にいた人たちも一瞬把握できなかったようです。

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※「東京は落選」との文字放送が流れる

 午前0時30分から始まった、CCTVスポーツチャンネルの特別番組でも、

イスタンブールとマドリードが第二位投票

「東京は落選」

「いや落選してない。得票数は東京がトップで、イスタンブールとマドリードが二位争いだ」

恐らく投票の規則に変化があったのだろう。いや、間違いました」
 とグダグダ。

 東京が最多得票で一時通過だと気付いた時にちゃんと訂正はしたんでしょうが、CCTVは翻訳を用意していないか、ロクな通訳がいないか、通訳を無視して状況を把握しなかったのと、同票数になった時にどうなるかを想定していなかった結果なのでしょうね。

 ただし、自分に被害が降りかからない限り、謝罪や訂正記事などはしない人たち。



 上から命令されたら早いんですけどね。そもそも、指輪してたらどうなんだっていうレベルなんですが。

 その新華社様は、何事も無かったかのように「東京に開催決まる」と速報。

速報「東京が2020年夏季オリンピックの開催権を取得」(新華社 2013/9/8)

 新華社は記事を消して検索に全くかからないのですが、各メディアに転載された「イスタンブールで開催」の記事はそのままですし、更に「新華社がオウンゴール」と新華社を全力でdisる記事が容赦なく雨後のタケノコ状態に。

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※新華社のミスは蜜の味

 皆さんここぞとばかりに新華社のミスを叩いてますねー。あまりすかれてないんでしょうか。

 そんな中、デマで被害を受けた新聞社がありました。

新華社のオウンゴールで某新聞が再版 副総編集長が微博で問い質し(新浪体育 2013/9/8)

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※夕刊紙なのに、という気もするが

 新華社の誤報で思い切り被害を受けたのが長沙晩報で、ご覧のとおり「イスタンブール開催」が一面の夕刊が既に出回っており、回収と「東京開催」で刷り直しを余儀なくされています。

 長沙晩報の副総編集長が微博で新華社を批判しました。

 新華社のオウンゴールで、東京がイスタンブールになってしまい、全国の新聞に大きな損害を及ぼした。長沙晩報は数十万部を回収、再度印刷した。その損失は巨大だ。

 ニュースを供給するものとして、新華社は客に説明をし、反省しなければならない。
 ここ最近、微博の「デマ」に厳しい態度で臨んでいる党中央ですが、新華社のデマ報道はちゃんとケジメをつけさせるんでしょうか。
posted by aquarelliste at 19:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 日中 | 更新情報をチェックする

2013年08月24日

日中関係悪化を貿易不振の理由にする商務部

 世間は薄熙来裁判で持ちきりですが、24日も続くとのこと。

 無関係ぽかった息子の薄瓜瓜を通じてお金を受け取りましたとの新情報が公表され、瓜瓜も起訴される可能性が出てきました、

 また、2002年に深セン市長だった于幼軍に、建設工事で便宜を図りましたみたいな話も出てきて、失脚しすぎて閑職のまま引退間近なのに、もう許して差し上げろよといった新しい情報も出てきています。

 ただ、2日間びっしりとやって、物凄い量となっていますので、読みきれていません。

 気分転換に、久しくやっていなかったキチガイ電波浴でもと、解放軍機関紙の解放軍報が今日2面に掲載した「『パシフィック・リム』はアメリカのアジア太平洋戦略を伝えるプロパガンダ映画」という趣旨の記事でも読み込んでいくかと。

 予定してたのですが、金鰤主筆が先に発表したので、もう1つの方を。

商務部「日本政府の誤った言動が、中国人の日本製品に対する購買意欲を削いでいる」(中国新聞網 2013/8/23)

 見出しで大きくネタバレしていますが、今年1月から7月までの中国と日本の貿易額は1740億ドルで、前年に比べて8.8%減少したと発表。

 内訳は、中国から日本への輸出が831億9000万ドルで前年比マイナス3.5%、日本から中国への輸出が908億1000万ドルで前年比マイナス13.2%となっています。

 この減少について、商務部の沈丹陽報道官は、欧米市場の不振、円安と共に、「中国関連の問題における、日本政府の一部政治家による誤った言動で中国人民の感情を傷つけ、一部の中国人消費者が積極的に日本製品を購入しようとする動きに影響した」と説明しています。

 日中関係は昨日今日で悪化したわけではなく、ここ10年ずっと悪いので、今年貿易総額が減少した理由の1つに、「右翼政治家」の言動は理由になりません。

 また、中国は外的要因ばかりを挙げていますが、中国国内の景気が後退している件を無視していますし、日本以外とはどうなのか出さないのはフェアではありませんね。会見はこれだけで終わっているわけでは無いので、あからさまな釣り記事です。

日中貿易、3年ぶり減 昨年マイナス3.9%(日本経済新聞 2013/1/10)

 中国の貿易全体の動きも鈍い。12年の輸入は前年比4.3%増の1兆8178億ドル。原材料などの輸入が伸び悩み、伸び率は11年の24%増を大きく下回った。貿易総額の伸びは6.2%にとどまり、12年の政府目標である「10%前後の増加」は達成できなかった。輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支の黒字は2311億ドルと、前年比48.1%増となった。
 落ち込みは去年から、ですよね。

 既読感があるなあとは思ったのですが、4月に同じような内容の記事がありました。

商務部「中日貿易総額減少は日本が全ての責任を負うべき(中国新聞網 2013/4/2) 

 だから、見出しでネタバレするなというのに・・・

 日本記者「昨年は日中貿易総額が減少しましたが、昨年下半期の日中関係悪化が関係していますか?」

 陳健(副部長)「中日貿易総額の減少は、皆さんが原因を理解できるだろう。中国側は中日経済貿易の発展を維持しているが、昨年の下半期、日本政府は『島購入』事件以来中国領土の主権を厳重に侵し、中国政府と人民の強烈は不満と断固とした反対を帯び起こした。

 日本政府の誤った言動は、中日経済貿易関係に影響し、損害を与えた。

 あなたは中国に駐在しているのだから、庶民が自覚してあなたの国のものを買いたくないというシーンを見られたはずだ。我々が目にしたくなかった現象だ。これに対して、日本は全ての責任を負わなければならない」
 伸びている頃は言ってたかなあ。

 両方の会見とも、日中関係の悪化と言いたいだけの釣りみたいなものですから、環球時報向きのネタ記事だと考えていいです。

 日本企業もまともに受け取る必要は全くありませんし、そもそも日中関係はずっと悪かったのですから、自社製品が売れなくなったのなら、自社製品に問題があると考えた方が建設的だと思います。バブル崩壊やレジャーの多様化、みたいな枕詞以上の意味を忖度する必要もありません。

 かつて、総理、官房長官、外相は靖国神社を参拝しないという、いわゆる紳士協定を持ち出して、これを守ってさえいえれば文句は言わないと主張していた中国。

 ところが、今年は自分で言い出した紳士協定を無視して、閣僚数人の参拝にケチを付けるようになっていました。中国の主張はそのときの都合で変わるという証左なので、無視して構いません。

 そもそも、この商務部発表って日本人で誰か読んでるんですかね。
タグ:商務部
posted by aquarelliste at 10:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 日中 | 更新情報をチェックする

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