2006年01月06日

新京報終了のお知らせ

(8日 16:55に加筆)

 新京報続報です。この件は多分これで最後になるでしょう。

 『新京報』接収を批判の記者ブログが削除 byマイクロソフト
http://the-sun.orisun.com/channels/news/20060106/20060106022203_0000.html
 水曜日、マイクロソフトが、ニューヨークタイムスの北京特派員がMSNに開いていたブログを"中国の法律に基づいて"削除したと発表しました。ブロガーとしても有名な安替(ハンドルネームで"Anti"=アンチの意)記者は、MSNに開いていた自身のブログで、当局の『新京報』への"進駐"を何度か批判していました。

 中国ではブログ後発となった、新浪網のブログコンテスト審査員もやってるブログ界の人気者のようで、ブログが削除される寸前には1日15000ヒットあったとか。

 大紀元で『新京報』のコラムを書いている人物の文章を見つけました。日中関係の研究をしているライターらしいのですが、彼もMSNで言論統制があったことを示唆しています。

 劉檸「我々は何を目撃しているのか」
http://www3.hong168.net/dm/uGgC/rcbPUGvZrf.pBz/to/5/12/31/n1173536.htm
 もしかして同一人物だったりして。

 話がそれました。こんな時にはgoogleのキャッシュさまさま。中国の雅虎などではこの削除の顛末を扱ったブログもろともキャッシュすら残ってないのですが、なんと見つかりましたよ。

 28日は編集長以下幹部が解任された日。『新京報』の人間を同僚と表現する南方報道集団の記者さんだからこそ、当日に情報も入っていたのでしょう。しかし、抱いていた期待は裏切られます。



 12月29日 我々はこういう読者を侮辱する行為を望まない。できる事は1つ、すぐに電話をして購読をやめることだ我々は従順な豚ではない。自分はそうではないと思う方は是非購読を取り消して欲しい、とにかくこんな第二の光明日報化したクソ新聞に金を払うのはやめてほしい。

 1年の購読予約を済ませた読者には「別の商品をつかまされた。詐欺だと怒れ」、広告担当には読者の減る新聞への掲載は金の無駄だから止めるよう求め、その損失を払わせるよう弁護士へ集団訴訟を助けてくれるよう求める。
 かなり端折るとこう言っているのですが、要するに、『新京報』はこの日に終わったと言っているのです。光明派の接収が完了し、もう変わってしまった、同じなのは名前だけだと言いたいのでしょう。それなら一思いに自分たちの手できれいに潰してやろうという、記者の『新京報』への愛、とは言いすぎですか。

 実際、解任騒動以降の記事は明らかにつまらなくなっていますし、過去の記事がPDFで見られなくなっています。また、検索もしにくくなっているというおまけ付き。

 こう書かれたブログはまもなく削除されました。4日、彼は海外にサーバーを置いている別のブログ【安替ニュースと政治を毎日考える】でこう述べています。

http://anti.blog-city.com/index.cfm?d=4&m=1&y=2006

 和諧社会はマイナスの情報を必要としていない、マスコミ人の生きる空間は、これからIT系の学生が悪魔に知識を売り、建設される長城によって更に狭まっていくだろう。
 長城とは中国のネットを管理している金盾工程で、NGワードが検索で引っかからないようにしたり、政府が指定したサイトを見られなくしたりしている様を、そう比喩的に表現しているもの。「自由な中国人をやるのは何と難しい事か」とは彼の弁ですが、その長城がより高くなったことを感じさせるのが、今回の新京報潰しと、ブログ削除でした。

 12月30日、こんな記事が掲載されました。

 「天気は良くないが、それでも鳥たちは目的地に向かって飛んでいく」。記者たちの最後の抵抗となったこの記事、鳥は記者、天気はマスコミ界であることは言うまでもありません。

 『南方都市報』も同様に当局の癇に障るような報道をやっていますが、定州暴動、松花江と国内一番乗りのスクープが桁違いに国際的な関心を集めたのが、新京報潰しを発動させたのでしょうか。他にも北京市ローカル紙として地元で発生した当局が隠しておきたい事件の報道もしており、"負責報道一切"というスローガンに相応しい活躍ぶりでした。
posted by aquarelliste at 23:57| Comment(6) | TrackBack(1) | 新京報 | 更新情報をチェックする

2005年12月31日

新京報終了への序曲

 1日経過して、色々情報が出てきました。単に私がチェック不足なのもありますが。『新京報』記者らの仕事放棄のお話です。

 昨日(30日)付の『新京報』には首脳陣の名前が記載されていないことが、ロイター通信によって報じられています。また、中共中央宣伝部直属である『光明日報』の"進駐"に反対する署名が職員の間で回わり、社外近くのレストランやホテルで作戦を練っている事などが分かりました。

 北京のある新聞学の教授によれば、「新聞社による大規模なボイコットは1949年以来でもまれ」だとか。そうですね、『南方都市報』はよく当局に介入されていましたが、ボイコットまでいったのはないでしょうし。

 この様な状況を察知したのか、『光明日報』は楊斌編集長は更迭ではなく南方報業集団への正常な転属となったことを、「双方の話し合い」で決めたものであると発表しました。最近はこの正常ななんとかが流行ってますね。

 『光明日報』のある編集員は、新聞の"政治的安全のため"に、中央宣伝部が『新京報』を改造し、『光明日報』に"進駐"させ、業務を行わせてたと明かしています。ここでは『新京報』が宣伝部の"目の上のたんこぶ"であり、一部の報道や評論が宣伝部に口実を与えたものの、依然どの報道が問題なのかは分からないという事情通のコメントを載せています。

 昨日のエントリーで『光明日報』が株式の51%を保持し、『新京報』が事実上子会社であることはお伝えしていますが、今回クビが飛んだとされる楊斌以外にも、初代編集長の程益中や社長ら要職は『南方都市報』出身者であり、程益中が7月に"経済問題"で解任された後を受けて、楊斌が編集長になったそうです。

 『新京報』の記者は「29日現在も編集部に人事異動は発表されていないが、編集長は出勤してきていない」と話しています。紙面を見ると、社長、編集長、副社長、副編集長などの名前が、無くなっていますね。これは29日からの措置だとか。(ソース:明報 

比較すると一目瞭然。

28日の『新京報』A二面:http://www.nanfangdaily.com.cn/southnews/pdf/xjb/20051228/A02.PDF
29日の『新京報』A二面:http://www.nanfangdaily.com.cn/southnews/pdf/xjb/20051229/A02.PDF



 これが昨日までに報道された内容です。

 今日の朝に出てきたのは、一転して編集長を元の職に戻し、同じく解任された副2名の編集長も復職させるという当局の発表でした。これにより、昨日から既に正常な勤務が再開されているようです。編集長不在の間は、前の編集長である戴 自更が兼任し、また楊斌は中央のトップクラスから直接名指しされ、深圳版新浪網の編集長となっていたとのこと。

http://www.thebeijingnews.com/news/0561/2005/12-30/005@151538.htm


 昨日、"彼方への飛行"と題された、鳥が空を飛ぶ写真を持ってきた件について、ある従業員は「整頓に対する不満と戦う意思を示した」と誇ります。「群れ鳥は一段になって空高く飛ぶ。空は晴れ渡ってはいないが、彼らは目的の地へ飛ぶ」という嫌味な原稿付き。

 女性記者は「今後の方針が変わらないとはいえない」「振り上げられたコブシは、いつか落ちてくる」と消極的。別の先輩記者は「『新京報』はこれまでずっと黒い報道を暴いてきた。楊斌は『新京報』の責任を一人で背負い、正義感と社会の良知あるマスコミ人だ。だが、今回の結末は大陸のメディア人をがっかりさせた」と、三者三様の反応を見せています。(ソース:太陽報東方日報

 『中国青年報』や、『北京晩報』など、同じような新聞がスタンドに並ぶ中、異彩を放つ『新京報』の方針が当局に譲らせた言っておきます。

 ただ、当局がやさしくするのは、物凄いどんでん返しの前触れであるという、今までの経歴を覚えておいた方が良いでしょう。記者が殺されたり、指を詰めさせられたりして、記者たちが報道を自粛しないとも限りません。

 さて、ひとまずボイコット騒動は治まりましたが、この解任劇は『新京報』だけの話ではないのです。

 『成報』によると農業部系の雑誌『百姓』の表紙が修正され、また『明報』が同じく『新京報』の姉妹紙である『南方都市報』の夏逸陶副編集長が、8月に発生した興寧の炭鉱事故の責任を負って游寧豊副省長が処分を受けた件を24日に取り扱ったため、27日に解任されたと伝えています。(ソース:成報明報

『百姓』なる雑誌は読んだ事もありませんが、上記二紙は当局の暗い部分を報道し続ける当局にとってはまさに目の上のたんこぶ。どちらも内地のマスコミであり、しかも地方紙とはいうものの、北京、広東省という大都市を地盤にしています。

 紙面を実際に手にとって読めない遠方の人間でも、転載などで報道を知ることが出来ます。両社ともPDFで読めるようになっているのも、1人でも多くに読んで欲しいからなのでしょう。次の報道をされる前に脅してみせた、というのが当局の真意でしょうか。
posted by aquarelliste at 08:05| Comment(0) | TrackBack(1) | 新京報 | 更新情報をチェックする

2005年12月30日

新京報についに手入れ

 来ましたよ。ついこの間褒めたばかりの北京の地方紙『新京報』がやりました。っていうかやられました。

 幹部更迭に抗議、人気中国紙の記者らが大規模スト
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20051229i115.htm?from=main1

 【北京=竹腰雅彦】独自報道で人気の高い中国紙「新京報」の編集局長ら複数の幹部が更迭され、これを不服とする同紙の記者や職員らが29日から大規模なストライキに入ったことがわかった。

 同紙関係者が明らかにした。中国メディアでストが行われたことが表面化するのは、極めて異例のことだ。

 新京報は2003年11月に発行を始めた日刊大衆紙。当局の厳しい規制下にある中国紙の中で、市民のニーズに沿った紙面と独自報道が持ち味で、新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)患者の後遺症問題や、土地収用を巡る河北省の住民襲撃事件などをスクープ。

 最近の松花江汚染問題でも11月24日付の社説では、中国当局による事実公表の遅れを「遺憾」だと論評していた。編集幹部更迭は当局の規制強化の一環とみられる。関係者によると、記者らは処分の撤回を求めている。

 新京報は、「大胆な報道」を売り物に、創刊2年で部数を40万部に急伸させた。
 さすが光明日報傘下です。同じく傘下で『南方都市報』の向こうを張る輝かしい経歴、って数日前にも同じ事書いたなあ。

 『新京報』編集長の更迭でストライキ
http://the-sun.orisun.com/channels/news/20051230/20051230020750_0000.html

 北京『新京報』の編集長と副編集長2名の突然解任が社員の不興を買っている。当局の編集方針に関する干渉が原因とされ、昨日(29日)には記者と職員の4分の3がストライキを開始し、昨晩まで続いている。『新京報』はこの事件に対する回答を避けているが、今日(30日)の紙面は通常通り売り出されるという。

 しかし当局は一昨日(28日)、突然『南方都市報』報道集団から出された楊斌編集長と孫雪東、李多鈺の2名の副編集長を解任し、光明日報に業務を代行するよう求めている。

 事件は編集方針へのあからさまな干渉と位置づけられて社員の不興を買う一方、南方日報系の編集員はさらなる整頓を危惧している。昨日午後3時、全ての編集員がストライキをスタートさせ、『光明日報』の幹部2名が社員と面会した際、すぐに職場に復帰するよう命令したが、戻ったのはわずか4分の1だけとなっている。

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 北京『新京報』の編集長が突然更迭、光明日報が"駐屯"、"管理下"に
http://hk.news.yahoo.com/051229/3/1jygj.html

【ロイター=北京】中国で最も大胆な新聞のひとつである、『新京報』の編集長が更迭された。専門家はこれを共産党のメディアコントロールの一環と見ている。

 中国の記者と、メディア専門家によると、当局の執政ミスと腐敗を報道する『新京報』の楊斌・編集長が水曜日に免職となったという。理由は不明だが、記者の弁護を行い内幕を知る北京の弁護士・浦志強氏は、党幹部が「『新京報』は多くの誤りを犯した」と発言をしたことを明かしている。

 『新京報』とウェブサイトの消息筋によると、楊斌と2名の副編集長の同時更迭はまだ確認が取れていない。

 新聞界を熟知するある編集員によると、『新京報』の大株主である保守派の『光明日報』はすでに日常業務の指導に乗り出し「影響力を強め」ており、直接代理を立てて業務を行う可能性もあり、メディアコントロールは中国における敏感な話題だとしている。

 『新京報』は2003年、広州で大胆の名高い『南方日報』集団と財政状況の悪化した『光明日報』とが資本を出し合って創設され、『光明日報』が株式の51%を出資し、経営に参加してきた。共産党のメディアに対するコントロールは厳格かつ変化に富んでいるが、『新京報』は辛らつな報道と評論で有名である。

 同紙記者は「『光明日報』は以前に、地方当局者が『新京報』への審査を要求した際に1度だけ介入してきた事はあった。しかしそれも一時的なことだった」と語っている。『新京報』の代表的な記事には、6月に河北定州で起こった、6人が死亡し、100人以上が負傷した土地収用に伴う農民鎮圧の流血事件があり、事件後には定州市委書記の和風と、市長の郭振光が更迭、起訴されている。
 ついに『新京報』も『南方都市報』のレベルまで上がってきたということでしょう。まあ当局の警戒レベルがマックスに達しただけのような気もしますが。

 『南方都市報』は1995年に広東省を地元とする地方紙として創刊され、広東省の数々の汚職や事件を報道し、同じく編集長などが解任されてきました。

 私がリアルタイムで知っているのに孫志剛事件(身分証を携帯していなかった孫が、違法に広州市内に入ってきた人間が収容される施設で職員に暴行を受け、死亡した事件。3月20日に発生した事件が、6月に被告の控訴棄却という猛スピードで進んだ)があります。

 当ブログで紹介したものでは、今年2月に貴州のフッ素中毒者が人口の半分とする記事くらい(当ブログ3月3日:省の半分がフッ素中毒)ですが、それまでに色々やっているようで、当局のポイントカードは溜まる一方。この間に記者が殺されたり、自宅でヤクザに指を叩き潰されたり(ソース)と、とにかく命がけの新聞社です。よく10年も持ちましたねえ。

 当局の公式発表に先んじて、SARS感染の疑いがある患者の入院を報じた時は、記者が定職を受けてました。理由は「組織性や規律が全く無い」「悪い影響を与える」。これは『南方都市報』のお話。

 昨年、江沢民の中共中央軍事委員会主席辞任の情報を当局に先んじてニューヨークタイムスに流した現時スタッフは機密漏洩で拘束されましたが、同じようなことをここの記者にもやっているのでしょう。要するに痛いところを突かれるているのです。(ソース

 記事にもあるように、"6・11"定州事件、松花江汚染など今年中国だけでな、く世界を騒がせた事件をいち早く報道し、当局が「新華社の原稿使わんかい」と介入してくると沈黙して次のネタを漁り始めるというスタイルを確立しつつあります。部数は2年で40万部以上に伸ばしているようで、しかも地元が北京であるというのが当局にとって難儀なようです。

 肝心の更迭の理由は今のところ不明ですが、この事件、どうなりますかねえ。

=====

『新京報』の孤軍奮闘については、過去のエントリーもごらんください。

当ブログ6月17日:ついに映像まで流れた暴動
当ブログ11月25日:吉林化学工場爆発で付近を流れる河川が汚染

頑張ってるでしょ。
posted by aquarelliste at 11:18| Comment(2) | TrackBack(1) | 新京報 | 更新情報をチェックする

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