2016年02月15日

胡春華失脚の可能性について妄議

 金鰤主筆にして現在様々なメディアでご活躍の高口さんから、この1年に3回くらい「今年は大物が失脚するはず」と持論を展開されたので、その可能性について考えてみました。

 大物とは、この20年間で汚職を理由に失脚した陳希同、陳良宇、薄熙来といった地方自治体のトップを兼任する政治局委員のことを指します。党大会が近づくと有力な政治家が失脚するという、このジンクスのことを高口さんは言っているんですね。

 当時の為政者である江沢民、胡錦濤、温家宝らと、対立する言動を取っていた点が、この3人に共通する「罪状」になります。

 陳希同は「六四天安門事件で直接返り血を浴びたワイが政治局委員止まりで、なんで江沢民が総書記やねん」(大意)という不満を漏らしていたそうです。

 陳良宇は高成長路線を放棄しろ、いやしないで温家宝や胡錦濤と対立し、最後は恭順姿勢を見せながらも解任。薄熙来はこれまた温家宝と対立しつつも、習近平を筆頭に過半数の常務委員からも支持を受けていたのですが、王立軍事件から見事なまでに手のひら返しを食らっています。

(左から氏名、解任された年月、直近の党大会開催年月)
陳希同 1995年4月 1997年9月(第15回党大会)
陳良宇 2006年9月 2007年11月(第17回党大会)
薄熙来 2012年4月 2012年11月(第18回党大会)
 要するに、次の党大会で常務委員入りして習近平に挑戦権を得そうな人物を探せばいいんです。しかし、すでに習近平の一強状態が確立し、少なくとも表立っては不満が聞かれません。

 上記の3人にはそれなりの後ろ盾がいて強気に出られていた面もあります。現役の党員でそんな後ろ盾を持った人物も、また強力な後ろ盾になりそうな人物も見当たりません。この条件下でケンカを仕掛ける無謀な人間などいるのでしょうか。

 いなければ作ればいいだけの話です。上記の3人はある意味自分から当時の為政者にケンカを吹っかけて敗れ去ったんですが、習近平がケンカを売りに行くスタイルで考えてみると、やはりターゲットは次世代のトップを走る胡春華かなと。

 いわゆる団派、共産主義青年団(共青団)閥というものがあるのかという疑問もありますけど、第17回党大会で李克強が習近平に総書記の座を奪われ、第18回党大会では汪洋、李源潮が政治局委員のまま足踏み。周強は52歳の若さで閑職送りと大惨敗を喫しています。

 さらに共青団自体も党中央というか習近平に恭順姿勢を見せており、共青団から有力な政治家が新しく現れない現状に陥っています。

 胡春華は胡錦濤がその能力を買っていて、かなり大事に扱われてきており、苦杯をなめまくった共青団に残された最後の希望と言っていいでしょう。

 第18回党大会で胡と同じく政治局委員に昇進し、重慶市トップとなった孫政才と、共青団の期待を一身に背負っている(はずの)胡とでは、まるで期待度が違うのです。

 ただし、胡に大きな失点が無ければ、上述のように党中央というか習近平との対立軸も無く、胡を失脚させるというのはさすがに党内や習の強力な支持母体である紅二代の支持を得られなさそうです。

 胡春華の失脚が無理としても、常務委員昇格を5年遅らせることはできます。定年延長と習の総書記三期目が堅ければの話ですが。

 胡錦濤、習近平の総書記経験者は帝王教育のために少なくとも5年前に常務委員に昇格しています。2022年(第20回党大会)以降も習が続投するのであれば、2017年(第19回党大会)に常務委員入りする必要はなくなります。地方経験しかない胡がいきなり総書記に就任することはあり得ませんからね。

 1963年生まれの胡は2022年でも59歳ですから、そこからさらに常務委員を二期務められますし、習の三期目が確実になればそれは定年が70歳に引き上げられていることが前提になりますから、胡春華総書記(仮)は、一期5年の2032年で引退せず、2037年まで続投が可能になります。うわあ、四半世紀先の話ですね。

 大物失脚について考えるつもりが、なぜか定年延長に話が流れてしまいましたが、現実的なところはこの辺りではないでしょうか。
ラベル:胡春華 十九大
posted by aquarelliste at 13:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 消息 | 更新情報をチェックする
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