2015年11月21日

紀律ってなんなのよ

 先月、党員が守るべきとされる党内紀律に関する新処分条例が、12年ぶりに更新されました。

 この新条例から計画生育、いわゆる1人っ子政策に関する記述が削除されたことで、直後に開催予定の五中全会で何らかの方針が打ち出されるのではないかと見られていましたが、これまで原則1人だった出産制限を2人に拡大すると発表されました。

 とは言え、両親のどちらかが1人っ子や少数民族であったり、長子が女児や障害者だった場合、2人目の出産が認められており、効果はそれほど無いのではと見られます。一人っ子政策は1979年に始まっており、対象となる漢族で適齢期の両親は大抵1人っ子ですからね。

 また、これまで社会撫養費の名目で超生(2人目以上を出産すること)の罰金を取り立てたり、地域に割り当てられたノルマのため、妊婦を無理やり堕胎させたりしている「組織」についてはアナウンスがありませんでした。中央省庁の1つでもある国家衛生計画生育委員会と、各地方自治体にある同委のことです。

 生育に関する制限が緩和されただけで制限自体は残っているのですから、組織が存続するのは当たり前なのですが、社会撫養費は地方自治体の大きな財源となっています。

 2013年に日本の厚生労働省に当たる衛生部と合併しており、途端に仕事がなくなるわけではありませんが、彼らを食わせ、地方自治体を食わせなければいけませんから、無くなるはずはありませんが。

2012/6/28 計画生育という名の裏で
2012/7/12 全国的にありそうな強制堕胎

 話を元に戻しますが、新紀律条例から計画生育の項目が消えたことで、党員は計画生育を守らなくていいとの期待が生まれたからなのでしょうか。

 そう考えているバカは実際にはいないでしょうけど、中央紀律検査委副書記が説明のため公式サイトに登場しています。

張軍・中紀委副書記、話題の法規2点をネット上で解説(人民網 2015/11/18)

 新条例では法律と重なる部分は削除されています。張軍・副書記に言わせれば、「書いてなくても国策なんだから守って当たり前」なんだそうで。

 新条例の第32条には、「党員はいかなる種類の犯罪行為であれ、事案が軽微であれば法的処罰は無いが、党内職務は解任し、党内観察か、党籍剥奪する」と規定されています。法律を犯せば、条例に記載がなくても党内の処分がある、というのは理解できます。

 まあ、そうなんだけどさ、だったら紀律条例ってなんなのよ、となりませんかね。

 紀律は明文化されたもの、今年になって突然出てきた「規矩」は明文化されていないものと分けられており、私の感覚ではどっちも守ってねとの意図はあるものの、明文化されていない分、規矩は紀律より下と見ています。私は規矩を規定と訳しています。

 しかし、新条例発表前から旧条例にはなかった「紀律違反」を理由に党籍を剥奪されたり、新条例の実施が2016年1月1日からであるにも関わらず、すでに新条例に照らし合わせて処分を受けている党員がいたりします。

2015/11/2 新疆日報トップの妄議とは

 党員をかばうつもりは全く無いのですが、遡求は反則ですし、逆もまたしかりでしょう。紀律条例に記載がなくても紀律違反になるなら、もう何でもありなんじゃいかと。
ラベル:中紀委
posted by aquarelliste at 11:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 消息 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。