2015年08月14日

【天津大爆発】消火作業が爆発を誘発した可能性

 12日、天津市浜海新区で起きた倉庫の爆発事故は、13日18時の時点で消防隊員17人を含む死者50人、701人が入院という大規模なものとなりました。

 うち71人が重傷ではなく重症となっており、通常の爆発で受けた傷ではなく、何らかの化学薬品を体内に摂取したことを物語ります。

 日本のメディアで「重症」と書いてあるのを目にしたので、誤変換かなと思ったのですが、公式にも重症とありました。公式は薬品のことは書いていないのですが、そっち系の事故であると臭わせています。漢字っていいですね。

 というヨタはさて置いて、13日8時にうpされながら、あっという間に削除された南方週末の記事を紹介しておきます。

【天津倉庫爆発】消防隊員に水を使った消火不可が伝えられていなかった(南方週末 2015/8/13)

 12日午後10時50分、公安部消防局が受けた通報によると、有害化学物質の倉庫で火災が起き、消防は午後11時6分に現場に到着、午後11時30分ごろ、現場で爆発が起きた。

 事故現場にいち早くかけつけた新京報によれば、硝酸カリウム、硝酸ナトリウムなど、可燃性の高い物質が保管されており、爆発に繋がったと考えられます。

 「化学物質にはそれぞれ使用できる消火剤があり、我々はそれを学んでいる」と話すのは、北京市の消防隊員である王吉さん。

 「炭化カルシウムは水と反応するので、水を消火に使うことは出来ない。どの消火剤を使うかは指揮官が決定する」(王吉)。炭化カルシウムは水と反応すると可燃性ガスのアセチレンを発生させます。

 「指揮官は現場到着後、状況を十分に理解してから出ないと消火活動に入れない。事故発生時にも技術的なサポートがいるのが当然で、現場の人間を通じてしか現場の状況を把握できない」(王吉)。

 埋葬担当者からの情報として、42人の遺体を受け入れたとされる泰達医院。同医院で入院中の複数の消防隊員から、「駆けつけた当初爆発は起きていなかった。現場では誰も水に濡れてはいけない化学薬品があるとは教えてくれなかった」と、人災を臭わせるコメントが取れています。

 水を使った消火不可の通達が徹底されていなかったのではなく、通達そのものが無かったことがわかります。

 この消防隊員によると、コンテナに10分以上放水していると、破裂音が聞こえ、コンテナが光ったそうです。そこからは皆さんご存知のとおりです。

 南方週末の記事とほぼ同時刻にうpされた記事です。この記事では、消防隊員は「爆発に対して科学的な手順で処置した」と、雷進徳・宣伝処副処長がお墨付きを与えたことが紹介されています。

 ただし、「肯定」という単語を使いまくっています。「違いない」くらいの意味になりますし、現場にいたわけではないので100%根拠があったわけではありません。あと「肯定」を連発して使う人間は信用できませんね。

 記者「消防が出動した時、化学物質があったことを知っていたのでしょうか」
 雷進徳「そら知ってるやろ。そういう通報やったし」

 記者「最初に駆けつけた消防隊員は水で消火に入ったんですか」
 雷進徳「そらそうよ。まず冷やさんとな」

 記者「しかし、炭化カルシウムは水に触れると爆発しやすい気体を作りますが」
 雷進徳「ポイントはやな、炭化カルシウムがどの位置にあったかや。これは外部の人間は知らんわな。どこにあって、炭化カルシウムに火が着いてないんやったら、放水は必要無いわな。コンテナヤードは広いし、ワシらは中に炭化カルシウムがあることしか知らんかった。そやけど、炭化カルシウムが爆発してたか、火が着いてたか、その時は誰もはっきりせえへんかったんや。それは消防部隊がアホゆうわけやない。炭化カルシウムがあるのを知ってて、まだ水かけとったら、という意味やないで。水使ったのは間違いやとは絶対にゆわれへん」

 記者「爆発と消火活動には関連性が無いとおっしゃりたいのですか」
 雷進徳「無いな。処置は科学的やったはずや。消防特別勤務部隊も厳格に科学的な処置をやってるし、そういう訓練もやってる」
 oh...消火活動のまずさを否定しているつもりなんでしょうが、返ってやぶ蛇な感じになってます。都合によりどん語っぽくなってしまいました。

 現場の指揮官が未熟で、通常の手順を踏まずに消火活動に入った可能性が濃厚なのには変わらないと思うのですが、では未熟なのはなぜか。

 【ハルピン市火災で分かる公安のアホさ加減】でも言及しているのですが、中国の消防隊員は公安部や公安局の一部門であり、消防隊員は全て公安局や武装警察からの派遣です。

 彼らは2年の任期が終わると元の部署に戻ってしまうので、現場の人間は消火活動の経験が最大で2年という状況が続いているのです。指揮官はどうなのか。今回も「烈士」が追号されて終わってしまうのでしょうか。
ラベル:天津市
posted by aquarelliste at 11:46| Comment(1) | TrackBack(0) | 消息 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
中国の消防隊員は徴兵制のもとに所属されているため、事実として軍人である。普通の2年間制消防隊員にとって、地元に戻るという進路以外に、消防隊のなかで、1級士官・2級士官・3級士官へ昇格する進路もありますね。しかも、可能性は少なくないです。
Posted by 周俊 at 2015年08月14日 14:52
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