2016年01月18日

【銅鐸湾書店】桂民海は自首していた

 昨年10月、滞在中のタイで行方不明になった銅鐸湾書店の筆頭株主・桂民海が、なぜか別件で自首していた件について。

 桂民海ら銅鐸湾書店関係者の失踪については、2016/1/7 香港はすでに香港ではなくなったをお読みください。

香港銅鐸湾書店店主・桂敏海の「失踪」事件調査(新華社 2016/1/17)

 ざっくりと要約すると、2003年に飲酒運転で女性をひき殺し、執行猶予中に身分証を偽造して香港に逃げたが、両親の死に目にも立ち会えない、というか父親は昨年亡くなっていて母親も危ないので自首しました、となります。

 懲役2年、執行猶予2年とか、当時はまだ飲酒運転も殺人も微罪だったんだなあと思い出します。



2016011801.jpg
※毎度毎度の独占インタビュー

 大物容疑者が容疑確定前に中央テレビの番組に出演し、「罪の告白」をするのはこれが初めてではないので驚きませんが、最近は自首するのにもかかわらず誰にもことづけをしないんですかね。

 帰国して自首したのは私個人が臨んだ結果で、いかなる人とも関係はない。これは私自身が負うべき責任であり、いかなる人や組織が私の帰国に介入もしくは干渉し、悪意ある煽りを行うことは望まない。
 銅鐸湾書店とは一切関係がないので、関連付けて人権問題とかにしないでねとの、当局の熱い息遣いが感じられます。桂を自首に踏み切らせたのは良心の呵責からではなく両親の死に目に会えなかったからで、整合性が取れていない気がしますが。

 「スウェーデン国籍を持ってはいるが、やはり私は中国人だ」という宣言も、取って付けた感は否めません。

王毅外相も李波について「まず中国人である」との姿勢でしたが、二重国籍でも元々持っていた国籍が優先されるんでしょうか。

 今回の自白は、おそらく環球時報が「大陸に影響している案件を大陸側が捜査するのは根拠がある」、「どこの国でも脱法行為で容疑者を引っ張ってくることはやっている」と、中国当局の関与を事実上認めてしまったために、慌てて取り繕ったのではないかと思いますが。
タグ:銅鐸湾書店
posted by aquarelliste at 09:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 消息 | 更新情報をチェックする

2016年01月17日

四川省長の「反省中」とは

 1月12日から14日まで、中央紀律検査委員会の六中全会が開催。「2016年は庶民のそばにある腐敗」を重点目標の1つに掲げることが発表されました。

 翌15日には初の記者会見が開かれましたが、この中で先月から公の場に姿を見せていない魏宏・四川省長についての言及がありました。

呉玉良「魏宏同志は重大な規律違反容疑で反省中」(2016/1/16 中央紀委監察部)

 中央紀律委は十八大(第18回党大会)以来、神秘化を止め、開放を堅持し、明朗な態度である。五大理念でまず挙げるのは開放だ。我々は私信を挟まず発表する。魏宏同志は重大な紀律違反容疑で、現在反省中である。紀律違反の状況に基づいて相応の処分を行う。
 中央テレビの質問に応じた形式になっていますが、まあ言いたいことを聞いてもらう仕込みですね。これまでは「現在組織調査を受けている」表現だったので、「反省中」というのはそれより軽い状況なのだと推測されます。

2016011701.png
※今日時点ではまだ省長

 魏は昨年9月の習近平訪米団から外されたのではと観測がありました。習に随行した6人の内、5人は行政トップの省長か市長だったのですが、四川省だけは書記の王東明が選ばれていたからです。(残り5人は王安順・北京市長、黄奇帆・重慶市長、李強・浙江省長、郭樹清・山東省長、婁勤倹・陝西省長)

 先月23日の四川省委常務委員会議、27日の四川省城市工作会議、29日の四川省委常務委員民主生活会と、立て続けに出席すべき会議を欠席し、元々1月20日に予定されていた四川省人民代表大会常務委員会が、「工作上の理由で」25日からに延期されたことから、疑惑は確信に近づきました。

2016011702.png
※画面一番右のお方

 21日の新聞聯播で中央経済工作会議に出席していたことは確認できるので、そのまま北京に留め置かれたようですね。

 北京での会議といえば、昨年7月に河北省委書記の周本順が北京での会議出席後にそのまま拘束されたのを思い出します。

 ただし、周は当日の新聞聯播から削除されていましたが、魏は映像がそのままなので、周のように党籍剥奪、司法送りまではいかないのでしょう。初めから結論ありきのような気がします。

 中紀委の発表で解禁になったのか、メディアは一斉に魏の背後を報じだしました。四川で30年の経歴から予想はしていましたが、周の息子、周濱のビジネスに便宜を図るため、当時のポストである省組織部長の肩書きを利用して雅安、資陽の両市に干渉しまくっていたようです。

 「現在反省中」ですから、これまで双規と呼ばれていた決められた時間と場所に出頭して取り調べを行う方法を取っていないことになります。「自供」させているとも取れます。

 司法送りにはせず、噂されているように副科級への降級を行って生き恥をさらさせるテストケースになるのかもしれません。

 新しいケースなので全くの憶測でしかありません。結果は公表すると言っているので待ってみます。

 しかしですね、1ヶ月以上も王岐山が山籠りしていたにしては、少々小粒のような。
posted by aquarelliste at 19:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 消息 | 更新情報をチェックする

2016年01月16日

中央紀律検査委員会のビッグデータを頑張って読んでみた2

 特に元気が有り余ってはいませんけど、途中で終わるのもアレなので最後までやります。

【ビッグデータ2015・3】中央管理の国有企業55社全てを巡視、何が見つかったのか

 2015年の巡視ターゲットは国有企業だったと言っていいでしょう。2014年までにわずか12社だった巡視ですが、昨年は43社に手が伸びています。

2016011602.png
※巡視された中央管理の国有企業

 国有企業のなかの国有企業として、骨幹企業と呼ばれる55社があるんですが=巡視済の55社とみなしていいものか。

 国有企業も組織ですから、カネが動く部門での汚職や人事権の濫用といった、地方自治体や党、政府の部門と同じような問題が出ています。

 摘発を受けた企業トップの分野別ではエネルギーが64人中25人でトップ。通信(10人)交通運輸(9人)と続いています。言わなくてもみなさんおわかりでしょうが、ターゲットはインフラだったんですね。

【ビッグデータ2015・4】中管幹部の「問題明細」 2/3近くが親族関係

 2015年に摘発を受けた副部級以上幹部の、紀律違反容疑などが詳しく分析されています。

 1月12日から14日にかけて開かれた中紀委六中全会で「紀律機関は公安、検察、法廷ではない」と強調されていましたが、迅速に司法機関に身柄を引き渡すために、紀律機関における取り調べ機関が相当短縮されています。

 確かに今年は感覚的にも3ヶ月くらいで党籍剥奪までたどり着いたケースがいくつかあり、スピードアップしたとは感じていたのですが、人員が相当強化されたと見られます。

 摘発を受けた幹部の親族が関わっているケースが6割以上とのデータが紹介されています。ほとんどは企業経営や昇進に便宜を図ったというものですが、周本順のように「配偶者の子供を放任した」ことまで紀律違反にカウントされます。

 幹部の家事は、個人の問題ではなく幹部自身の重要な成績につながるらしいので、習近平も慌てておねいちゃんに株を売らせたんでしょう。

【ビッグデータ2015・5】68の国と地域から863人、ブラックリスト19人を送還

 海外逃亡した汚職官僚を強制送還させて持ち逃げしたカネの一部を取り戻しましたよ、という成果を誇る回です。

 アメリカ、カナダが主な潜伏先となっていますが、こういう人もいるのでまあ頑張ってくださいとしか。


【ビッグデータ2015・6】庶民の身近にある「四風」と腐敗問題調査8万件、9万人を処分

 連載の最終回です。これまで反腐敗は虎にばかり目が行きがちでしたが、もちろんハエも同時に叩いています。

 虎叩きが一巡したのと、虎を叩いても庶民に恩恵が回ってきていないのが薄々気付かれ始めたので、2016年は「あなたのそばにある腐敗」を解決するのが目標の1つになるようです。

 六中全会後の記者会見でもこの点が強調されており、これまで「大物の汚職」でそれなりに格好がついていたのが、紀律違反の内容が一気にスケールダウンしてせせこましくなるのではと思われます。

 ちょっと気になるのが、ビッグデータの2で「報告のない地級市があった」と指摘している点です。

 問題が無い分にはいいんじゃないかと思うんですが、問題はあるとの前提で話を進めている感があり、ノルマを課しているのではないかと勘ぐりたくなります。ノルマが果たせないと餌食になるのは嫌われ者や根回しができていない人間ですからね。

 駆け足になりましたが、せっかくのビッグデータなので一応目を通して感想をまとめました。
posted by aquarelliste at 22:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 消息 | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。