2015年06月29日

次期常務委員候補の整理

 十八大(第18回党大会)の人事で大きく外してから早4年。十九大がまだ2年以上先だというのに、もう常務委員の予想をするという暴挙に出てみました。

 予想というよりは現状の整理にしかなっていませんが、来年もう1度やればいいじゃないですか。

 前提条件として、以下を挙げておきます。

■常務委員の定数は第18期と同じ7人

 奇数なのは常務委員会で票が割れたときに多数決で決着が付けられるからです。定数を変動させる根拠を現時点で持っていないので、今回は定数7人での予測とします。


■定年は68歳

 政治局常務委員の68歳定年制は2002年の第16回党大会前の人事で固まったとされています。

 67歳以下の政治局委員のみが常務委員へ昇格し、68歳以上の政治局委員は問答無用で引退させられます。もちろん中央委員からの抜擢もありますが。

 「七上八下」と呼ばれるこの制度は、元々の意味は「落ち着かない」であり、政治生命が5年延びるかどうかの瀬戸際に立っている政治局委員にとってはダブルミーニングと言えるでしょう。

 2002年の第16回党大会当時、68歳だった李瑞環・全国政協主席は、それまでの慣例では70歳が定年だったので、そのまま常務委員に居座ることも出来たのですが、江沢民の右腕だった曾慶紅に68歳定年をねじ込まれて渋々引退しています。

 その曾慶紅は2007年の第17回党大会前の人事で、李に「定年は68歳なんだよな」(意訳)と意匠返しされ、引退させられています。

 第19回党大会の2017年に68歳を迎える王岐山に、現在担当している中央紀律委書記のをもう一期務めさせるために、常務委員の定年を70歳に上げようとする動きがあるそうですが、それも今回は無視します。

■習、李の職務は動かない

 紅二代パワーを手に入れて無敵状態の習はともかく、総理就任前から全国人大委員長の声があったリカちゃん。顔色が悪い、糖尿、声を荒げるシーンが増えた、そもそも無能、などと言われていますが、とりあえずあと5年総理をやってもらいます。


 まず、現在いる常務委員7名について整理しておきます。かっこ内の数字は、第19回党大会時点での年齢です。

 習近平(64)総書記、国家主席、中央軍事委員会主席
 李克強(62)国務院総理
 張徳江(71)全国人大常務委委員長
 兪正声(73)全国政協主席
 劉雲山(70)宣伝部門担当
 王岐山(68)中央紀律検査委書記
 張高麗(71)国務院常務副総理
 見てのとおり、習、李の2トップ以外は定年を迎えてしまいます。この人選になった時点で分かっていたことで、現行の既定のままでは少なくとも5人の常務委員を新たに選出する必要があります。

 まずは中央委員からの飛び級ではなく政治局委員からの順調な昇格を考えてみましょう。現在いる政治局委員を並べてみました。常務委員と同じく、第19回党大会時点での年齢を併記します。

馬凱 (71)国務院副総理
王滬寧(62)中央政策研究室主任
劉延東(72)国務院副総理
劉奇葆(64)中央宣伝部長
許其亮(67)中央軍事委員会副主席
孫春蘭(67)中央統一戦線部長
孫政才(54)重慶市委書記
李建国(72)全国人大常務副委員長
李源潮(67)国家副主席
汪洋 (62)国務院副総理
范長龍(70)中央軍事委員会副主席
孟建柱(70)中央政法委書記
趙楽際(60)中央組織部長
胡春華(54)広東省委書記
栗戦書(67)中央弁公庁主任
郭金龍(70)北京市委書記
韓正 (63)上海市委書記
 前提条件に照らして、馬凱、劉延東、李建国、范長龍、孟建柱、郭金龍の6人はもれなく引退となります。

 張徳江以下5人のポストが誰にいくのかですが、王滬寧は現在担当している職務が特殊で、そこから動くことは考えられないので、彼は除外しておきます。

 劉奇葆:劉雲山がプロパーから宣伝部門のトップとなったので、これを踏襲するならば同じ道。黄坤明という習お気に入りが副部長にいるので、留任の目は決して高くはない。

 許其亮:引き続き中央軍事委員会副主席。第14期に劉華清が常務委員になったのを別にすれば、制服組が常務委員になったケースは無く、政治局委員のままと思われる。

 孫春蘭:令計画の後任として統一戦線部長となったわけだが、女性初の常務委員かつ、プロパーからの全国政治協商主席は前例から考えにくい。統戦部強化の流れなら政協副主席兼任でそのまま部長職が妥当か。

 孫政才:胡春華と共に、第6世代のトップを走る。こちらが将来の総理候補なら、一気に常務副総理くらいになりそうだが、ハゲているのは気になる。

 李源潮:9人制から7人制への最大の犠牲者。行き場がない上に、次の「大虎」との噂もあるので、足踏みどころか薄熙来よろしく消えてしまう可能性も。

 汪洋:アメリカでの「放言」が目立つが、常務副総理候補の一番手。孫政才に譲るなら、国家副主席か全国人大委員長か。

 趙楽際:中央組織部長を二期務めた人が過去にいないので、難しい。習お気に入りの陳希が正部長になれば、当然居場所がなくなるわけだが。

 
 李源潮:9人制から7人制への最大の犠牲者。行き場がない上に、次の「大虎」との噂もあるので、足踏みどころか薄熙来よろしく消えてしまう可能性も。

 胡春華:総書記候補との呼び声が高い。胡、習と過去の総書記同様に、中央書記処常務書記で英才教育を施し、2022年の総書記就任に備えるか。

 栗戦書:王岐山と同じ、古くからの習の知己らしいが、以前から上海行きが取りざたされているのはなぜか。中央弁公庁主任から地方のトップ(上海市委書記)はどう言い訳をしても左遷。そのまま上海で終了する可能性も。大体なんでそんな声が上がるかというと(ry

 韓正:栗と交代で中央弁入りするのか、国家安全委員会入りするのか。陳良宇の代理を務めた割に、市長をさらに5年続けたあたり、あまり買われているとは思えないが。
 5人穴埋めが必要なのに、昇格の可能性があるのが4人なのでもう少し精査は必要です。

 第18回党大会では発生しなかった中央委員からの二階級特進も考えておいたほうがよさそうですが、中央委員については整理がついていないので、次回まで持越しとさせてください。
posted by aquarelliste at 10:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 消息 | 更新情報をチェックする

2015年06月19日

喬石葬儀にも江沢民のアピール

 既報通り、本日19日に喬石の葬儀が、いつものように八宝山革命公墓で取り行われました。

喬石同志の遺体、北京で火葬(新華社 2015/6/19)

 昨日、習近平の貴州省視察を18分もダラダラと流し続けた新聞聯播も、視察の残りを差し置いてトップニュースです。アナウンサーも原稿をゆっくり読み上げています。




2015061901.JPG

 最後に動向が報じられた2006年の時は髪の毛がまっくろくろすけでしたが、葬儀の映像を確認すると見事に真っ白けでした。

2015061902.JPG
※夫婦連名とか

 ロシア訪問中の張高麗を除く「常務委員6人と、胡錦濤ら」が参列しています。江沢民は姿を見せなかったものの、「遠方より花輪を送り、喬石同志の逝去に哀悼を表した」とわざわざ書かせています。これまでに見たことのない表現です。

 新聞聯播では当日のラインナップを番組の頭で紹介するのですが、江沢民が花輪を送った件にしっかりと言及させていました。

 江沢民自身が欠席したことに神経を使った結果なのでしょうが、だとするといま江沢民は北京にはいないということになります。

 映像では江沢民は妻の王冶坪と連名で花輪を出したのが確認できました。これも珍しい光景です。胡錦濤は当人だけの名義。額面通り読めば、胡錦濤は仕事上の付き合いだけだったが、ワシらは夫婦で付き合いがあったんじゃいとのアピールになります。

 結局は健康面の不安から参列を見送ったんでしょうが、姿を見せなくとも色々考えさせてくれるじいさんです。

 現役常務委員と総書記経験者の2人の名前以外出ていないので、現時点ではなんともいえませんが、第三代指導者の姿が見えませんでした。李鵬、朱鎔基、李瑞環、宋平の4人ですが、これまでがそうだったように、公式では多分追加情報は出てこないのではと思われます。



 せっかく出てきた胡錦濤も、動きが遅くぎこちない感じに映りました。これで「老いた」と決め付けるのは早計ですが、現役常務委員との差は気になりました。
posted by aquarelliste at 22:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 消息 | 更新情報をチェックする

2015年06月16日

環球時報が2011年の事故を今更取り繕っている

2015061601.jpg

 環球時報が街中に売ってなくて、現物を目にしなくて済むというのが、中国人でなくてよかったと思う理由の1つです。

 何度も書いていますが、環球を読んでいるだけで頭が悪くなりそうで。この新聞をヲチ以外の用途で、まとも読んで喜んでいるのはどこの低能なのでしょうか。

 環球などまともに相手をする必要は無い、とのご指摘はもっともですが、こういう記事が受けていて中国で一番売れていることは忘れてはなりません。

 なぜか扱いが敏感な問題を取り上げることができるメディアで、先日はアイウェイウェイに対しての態度がガラリと変わって好意的な記事を書いていました。

 つまり、環球は準機関紙の顔を持ちつつ、低能を量産して稼いでいるどうしようもないカスメディアということになります。

 読者に合わせるためにはそれなりに記者をそろえる必要がありますが、10年前に糞青やってた連中のちょうどいい吹き溜まりになっているのかもしれません。同業者にもさけられているくらいですからね。私が親なら止めます。
2013/6/1 嫌われ者の環球記者と中国人が患う病

趙宏偉「日本の『安全神話』、中国の『高速鉄道』事故」(環球時報 2015/6/9)

 中国高速鉄道の話になると、読者のみなさんは2011年に甬台温線(浙江省寧波市の寧波駅から温州市の温州南駅を結ぶ、高速鉄道専用線)で起きた列車衝突事故を思い出されるかも知れない。

 しかし、あれはせいぜい「動車」(都市間鉄道)で、実事求是で言えばあれは特快列車事故だ。

 見出しには「日本の『安全神話』」とある。日本人は褒め言葉として使い、中国と高速鉄道のプロジェクトを争っている際に、ほとんど毎回「日本の高速鉄道は死亡事故が起きていない」と言っていた。

 つまり、フランス、ドイツ、中国の高速鉄道では死亡事故が起きているという意味だ。この3か国からすれば、高速鉄道で死亡事故が起きないというのは神話と同じ、不可能だ。

 いや違う。中国高速鉄道も、これまでに死亡事故は起こしていない。また、高速鉄道以外では、日本もしょっちゅう列車事故が起きている。しかし、中国人はいまだかつて自己弁護を行ったことは無いし、高速鉄道事故は声を上げて猛烈に批判している。

 高速鉄道であろうが通常の列車であろうが、中国、日本の別なく、死傷事故は被害者にとって不慮の事故であり、同じく痛ましいものだ。

 しかし、各種列車事故を客観的認識してこそ、事故の発生を防ぐのに役立つというものだ。多くの人間が認識方法において、理性的な概念で細かく対照を認識するのに慣れておらず、感性で思い込むのに慣れてしまい、報道に熱が帯びるのだ(後略)


 2011年に事故を起こした、あれは高速鉄道ではなかった。
 日本は高速鉄道での事故は無いけど、実際は人死に杉だよね。
 まとめるとこの二行に落ち着くのですが、これは一体誰のために書いているのかと思うと暗澹たる気持ちになります。

 環球時報の性格と見出しから、中国を批判する資格は日本にはないと言いたいのでしょうが、それなら2011年の事故は高速鉄道ではなかったと、ことば遊びをする必要はないわけです。

 また、中国独自の定義など、どうでもいい点に固執し、中国の高速鉄道は無事故だと高らかに宣言する必要もありません。この謎論理で仮に納得したとしても、埋めたという付録があることを忘れてくれる都合のいい国は無いでしょう。

 環球の読者向けに書いた、と言われればそれまでなのですが、こんな阿Qも真っ青の精神勝利法で満足する読者とは一体何なのでしょうか。本当に心配になってきます。

 問題なのはそこなのですが、書き手の趙宏偉は法政大の教授らしく、宋文洲みたいに駄文を書き散らして阿Qを量産している悪質な中国人がまだいるのかと思うと、なんとも暗澹たる気持ちになります(2回目)。
ラベル:環球時報 趙宏偉
posted by aquarelliste at 14:42| Comment(1) | TrackBack(0) | 消息 | 更新情報をチェックする

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