2014年12月24日

令計画と周永康、薄熙来との繋がり

 周永康、薄熙来と徐才厚の3人は繋がりが見えるのですが、「胡錦濤時代の後半に党の官房長官役たる中央弁公庁主任を務めた」だけの令計画がどうやって周永康とつながりを持ち、「新4人組」などと呼ばれるようになったのか。

 「息子が起こしたフェラーリ事故の隠蔽で周永康と密約を結んだ」ことが事実としても、令計画と周は外から見れば接点はあるようには思えません。

 その辺りを明鏡トップの何頻が、RFIで色々と説明してくれていました。

何頻「令計画はいかにして馬脚を現したか」(RFI 2014/12/22)
何頻「当局は刑事上から令計画の急所を探した」(RFI 2014/12/22)
何頻「令計画の刑は周永康より重い可能性」(RFI 2014/12/22)
周永康、薄熙来と同盟結成が指摘される令計画(RFI 2014/12/22)

 何頻は令の父である令狐野(令狐で複姓。理由は後述)と、薄熙来の父・薄一波が同じ山西省の出身で戦前からの親友であると指摘。

 この話は2年くらい前から出ていたようで、令一族の地盤となっていた山西省から、1979年に23歳の若さで共青団入りしたのも、文革での失脚状態から復活し、影響力を回復しつつあった薄一波の推しがあったからと説明付けしています。

 令計画と薄熙来は少なくとも知らぬ中ではなかったのです。「胡錦濤の女房役」としての一面ばかりが強調されがちですが、令もれっきとした紅二代。令は薄を通じて周の庇護を求めたのです。

学習小組「習近平、反腐敗を語る『セクト主義』をやれば必ず問題が起きる」(海外網 2014/12/23)

 令計画の取調べが報じられた翌日、習近平に近いとされる微信アカウントの学習小組が、「決してセクトをやってはならないし、食客をやってはならない。この手の事をやれば、いつか問題が起きるだろう」との、習近平の意味深な談話をタイミングよく披露しています。

 発言は今年1月に開催された中央紀律委第3回全会や、10月の群衆路線教育実践活動総括大会での講話内容が中心で、他にも「幹部は党の幹部であり、誰かの家臣ではない」「上下級関係は派閥関係になってはならない」といった発言が紹介されています。

 言うまでも無く、党内にある幹部が誰かの家臣となってその命を受けて動き、派閥を形成していた事実を踏まえての批判です。令計画問題は、汚職などではなく薄熙来事件の一部であると考えるのが妥当です。

 学習小組は以前に「中央財経領導小組の組長を総書記が兼任するのは、80年代末以来の慣例」として、かつて朱鎔基や温家宝が担当していた事実を否定。

 李克強で内定していたところを習近平に変更になったと伝えた網易が、アプリ更新停止処分を受けています。無碍にはしない方がいいでしょう。
2014/6/19 中央財経領導小組の組長は習近平でなければならないのか

 環球はロイターの報道を孫引きする形で、「党員の子女が高級車に乗っていた事実は、民衆の感情からかけ離れている」と、当たり障りのないところで令を批判。ほかに飛び火はしないでしょうが。

 では、令一族の地盤であり、兄弟親族を含む高官が続々と取り調べを受けている山西省の一斉処分は、令計画と関係がある動きなのでしょうか。

 令一族は全国的にも例のない、山西省出身の高官たちで作る西山会なるグループを北京で立ち上げ、この中には先日無期懲役を食らった劉鉄男(元国家エネルギー局長)も加わっていたとのこと。

 劉鉄男は祖籍こそ山西ではあるものの、ずっと北京育ち。こうした使えそうな大物や、官僚ではないものの有力な企業家なども加入していました。劉志軍の愛人だった丁書苗もその1人のようです。

 この互助会みたいな集まりで売官が横行し、市長のポストが1000万元で売り渡されたと言われています。山西省の一連の失脚劇で問題視されているのが売官。背後に令計画と西山会がいたというストーリーはよく出来ています。

 令一族は元々令狐という姓で、春秋時代に秦を破った功績を称えれて晋の景公にこの姓を賜り、現在の山西省運城市に封じられたのが始まりとか。今でも同市と太原市に多くいる姓だそうで、令計画の一族は便宜上令を名乗っており、忻州市には令狐荘村という村までありました。



 どちらの市も売官が激しく、太原市委書記を筆頭に幹部連中が一網打尽状態になっている地域です。

 令計画って我々が思っているよりずっと大物で、これまで運城市と太原市を地盤とする令一族の一存で山西省の人事が動いていて、習近平がようやく手を付けることが出来たのかもしれません。

 中紀委は今年の取り調べ対象に国営企業を挙げ、一部幹部への処分もあったのですが、シノペックのような大規模な動きにはなっていません。
2014/4/8 今年中紀委の目の仇にされそうな電力業界

 電力一姐たる李小琳(李鵬の娘、李小鵬・山西省長の姉)が海南島での土地購入で便宜を図ってもらったのが、周永康の政法委書記時代に秘書を務めていた冀文林(当時海南省副省長)。

 掘り下げればいい感じで延焼していきそうなのですが、電力方面への波及は今のところ無し。山西省の汚職は李小鵬が山西省に来る前からの話なので、牽制にはなっても監督責任が問える程度ではないでしょうか。
posted by aquarelliste at 12:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 消息 | 更新情報をチェックする

2014年12月23日

令計画は既に有罪扱い

 薄熙来、徐才厚、周永康と四人組を築いたと言われ、息子が起こしたフェラーリ事故の隠蔽が問題視されて、中央弁公庁主任から統一戦線部長への降格人事から約2年。ついに令計画も失脚となりました。

 令の最後の動向と思われる、12月15日に求是に寄稿した「中国の特色を堅持し、民族問題を解決する正確な道 中華民族の偉大な復興という中国夢実現のため、団結奮闘せよ」で、習近平に土下座降伏の勢いだった文章を披露していましたが、全く効果がありませんでした。

 恐らく明日の人民日報に掲載されるのでしょうが、国平名義での記事が早速出ています。国平は音が同じ国評(国家の評論)のことと推測され、ここぞというときに使われる筆名です。

国平「トラもハエも一気に叩く。反腐敗は党の心、民の心を深く得られる」(中国新聞網 2014/12/22)

 現時点では容疑のはずなのに、「執政党と全国人民の反腐敗の決心と信念を体現し、中国共産党の骨を削って毒を治療する、清廉な執政、明朗な統治が鮮明な政治態度を表現した」と既に悪人決定。

 さすが正確で知られる中国共産党、冤罪を作らないよう容疑を固めてからということですね。

令計画が組織調査を受ける(財新 2014/12/22)
キャッシュ

 新華社の失脚発表とほぼ同時のタイムスタンプで、予定稿溢れる財新の記事。

 「中央弁公庁主任から中央統一戦線部長への左遷の原因は不明だが」、と断りつつ、2年前の3月18日に、令計画の息子が起こしたと言われる北京市内で起きたフェラーリ死亡事故を紹介。

 「令は当時の政法責任者とある種の政治的取引をした」と、誰が読んでも周永康と何かあったとしか思えない一文を添えています。

 要するに、令計画はもう終了ということですね。
posted by aquarelliste at 00:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 消息 | 更新情報をチェックする

2014年12月21日

今回の「拥軍優屬」通知は軍内部の腐敗が原因か

 久々に真面目に19日の新聞聯播を鑑賞してたら気になるニュースが。

二部門、新年旧正月期間中の解放軍家族の優待、解放軍の政府擁護、人民愛護を通知、要求(新華社 2014/12/18)

 二部門とは厚生労働省に当たる国務院民政部と、解放軍総政治部のこと。

 下手くそな抄訳から見出しが長くなりましたが、「解放軍家族擁護」と「政府擁護と人民愛護」は原語では「拥軍優屬」と「拥政愛民」。

 「拥軍優屬」は文字から何となく分かるのですが、地方で個別に出されている「拥軍優屬」に関する通知を読み漁っても、「目的は拥軍優屬の強化」なんてとんちみたいなことしか書いてなかったりするので困ります。

 ちなみに、地方で「拥軍優屬」として様々な優遇政策を用意していますし、2013年の旧正月建軍節に合わせて国家規模で同様の通知が出ており、初めてではありません。

 軍人とその家族は寺や観光地の入場券がタダになったり、鉄道などチケットの購入も専用窓口が用意されている、というのは、中国にしばらくいらした方ならご存知でしょうが、そういうのもこの活動の一部です。

 他にも、優先的に仕事や住居を手配したり、役所での各手続きがスピードアップしたり、子供が通う幼稚園や小学校の学費が優遇されたり、孤児には奨学金が出たりと、結構な優遇ぶりであることが分かります。

 通知では、主要メディアやネット、携帯などの媒体を通じて、「全国軍民が強国興軍の過程で共同で作り上げてきた輝かしい成果を全力で宣伝」せよと指示しています。

 その具体的な例が「今年雲南省や四川省で起きた地震などの重要な自然災害で、軍と地方が協力して救助に当たった感動的な事跡を宣伝」。

 すでに各地で実施されているはずの「拥軍優屬」が、なぜ今さら国家クラスの部門名義で再度通知され、軍民共同作業の成果をテレビだけでなく、微博や携帯を通じてまで見せられるのか。

 旧正月でも実家に帰れない辺境に駐在する兵士を、これまでは地方の指導者が訪れては慰め、手当てを厚くしていたわけですが、新年、旧正月と期間を限定したのはちょうどこの時期に軍人の不満がピークに達するので、中央政府や地方政府がこれまで以上に予算を出して割に合わないと感じている軍人を沈める狙いがあるのでしょう。

 今はどうか知りませんが、以前は米や油を多めに支給していたとか。わかりやすいですね。

 今回は大宣伝をして軍をいい気にさせつつ、「経済社会の発展と部隊建設の需要を密接にして、科学技術の成果、人材、情報、資金などの面で交流を深めて、戦備訓練施設を整え、情報化インフラ設備の改造、後勤保障の社会化改革などの分野で、部隊が直面する問題解決を助け、部隊の戦闘能力建設と向上を促進」させるとしています。

 これまでの通知には無かった内容で、資金不足が原因となって後勤方面がガタガタと読み取れます。

 徐才厚、谷俊山らが汚職の舞台としていたのがまさにインフラ建設を担当する総後勤務部。彼らの汚職が思ってたより酷すぎて軍の施設がボロボロなので政府がお金を出しますみたいなオチなのでしょうか。
タグ:解放軍
posted by aquarelliste at 12:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 消息 | 更新情報をチェックする

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