2014年10月28日

徐才厚の軍籍除名理由が知りたい

 軍事検察院による、徐才厚の取り調べとが終わりました。あまり多くは書かれてませんが、頑張って膨らませてみました。

  なお、3月15日から徐の紀律違反容疑を調査していた中軍委紀律検査委は、かつて総政治部常務副主任だった徐が兼任していたポスト。かつての部下などもいたでしょうにまともな調査が出来たのかと心配になりますが、あまり気にしないことにします。

徐才厚、収賄容疑事件が起訴審査へ(新華社 2014/10/28)

 徐才厚は職務を利用して、他人の昇進を助け、直接もしくは家族を通じて賄賂を受け取った。その額は特別大きい。

 職務上の影響を利用して他人の利益を図り、本人もしくは家族が賄賂を受け取った。その額は特別大きい。

 徐才厚は収賄犯罪の事実に対し、ありのままに自白した。
 これによると、容疑は「ただの」収賄のみ。党籍はく奪された6月30日の発表内容に付け加えられることはありませんでした。

 解放軍と武装警察の人事権を握っていたのですから、妥当な容疑ですけどねえ、周永康に全力で何もかも押し付ける感じでもないですし、まだ薄熙来や王立軍の方がワクワクできました。

 ところで、「既に、中央軍事委は徐才厚の軍籍、上将階級を取り消している」という最後の一文。あれ、そんな決定公表されてましたっけ?

 調べてみると、8月27日に雲南省政府関連雑誌の編集長が、微博で「本日部隊(解放軍)に変化有。徐才厚の件が伝達され、徐は軍籍を軍籍を除名され、上将階級をはく奪された」とつぶやいたものの、光の速さで削除されていました。「全軍政法委員会」での通達を公開してしまったようです。

 軍人としての籍が無くなる訳ですから、階級をはく奪されるのは当たり前ですが、上将階級をはく奪されたのは史上初。解放軍からの年金ももらえなくなります。

 しかし、この軍籍除名、単なるけじめや厄介払いではなく、意味があるのです。

 解放軍紀律条例の第42条には、以下に抵触すると一律軍籍を除名とあります。

1:国家安全危害罪が成立している
2:5年以上の懲役、無期懲役、死刑判決が出ている
3:懲役5年未満もしくは過失による懲役5年以上で服役期間中、あるいは労働教養期間中に改造を拒み、情況が酷いもの
4:紀律に違反し、情況が酷く、影響が劣悪で、軍人の基本条件を喪失している

 2と3は裁判がまだのはずで、4が該当するのかもしれませんが、ここは1の可能性もあるのでは。

 国家安全危害罪は、中国の主権を脅かした場合や、国家の統一を破壊したなどに加え、「国 家 分 裂」や「武 装 反 乱」、「政 権 転 覆」などなかなか刺激的な単語が並んでおり、この辺りに引っかかっていれば、ひと波乱ありそうです。続きを読む
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2014年10月25日

事前の報道無しに党籍を剥奪された楊金山とは誰か

 四中全会が閉幕し、公報が発表されました。

四中全会、李東生、蒋清敏らの党籍剥奪を確認(新華社 2014/10/23)

 第18期四中全会は、中共中央紀律検査委の李東生、蒋清敏、王永春、李春城、万慶良の重大な紀律違反問題に関する調査報告について審議、並びに承認され、中共中央軍事委員会紀律検査委員会の楊金山の重大な紀律違反問題に関する調査報告について審議、並びに承認され、中央政治局が行った李東生、蒋清敏、楊金山、王永春、李春城、万慶良の党籍剥奪処分が確認された。
 公報全文では、候補委員の中央委員への繰上りが先に書かれており、得票順から馬建堂と王作安が昇格する事は確定だったのですが、実際には毛万春も昇格。事前には知らされていない李東生、蒋潔敏以外の中央委員解任があったからです。

中央委員を解任された楊金山とは一体誰なのか?(北京青年報 2014/10/24)

 中央紀律委ではなく、中央軍事委紀律委が取調べ報告書を作成したという楊金山は、失脚前には成都軍区副指令員を務め、7月に常万全・国防部長のタンザニア、南アフリカ2ヶ国訪問に随行したのが最後の動向となっています。

 楊が入隊からキャリアを重ねた成都軍区第14軍は、薄熙来の父・薄一波が建軍に参与しており、王立軍が駐成都米国総領事館に逃げ込んだ後、同軍が本拠地を置く昆明市を薄熙来が代表団を率いて訪問。「駐雲南省某軍団」にある、軍史をまとめた展示室を視察しているといういわくつきの部隊です。

 3ヶ月かけて調査結果をまとめ、容疑が固まってから発表するやり方は徐才厚と同じですが、これは解放軍自前の紀律検査委のやり方なのかもしれません。徐との直接的な関係は今のところ不明です。
 
 今回党籍剥奪処分で名前が出た6人と、その最終的な肩書きです。

李東生(公安部副部長)
蒋潔敏(国有資産監督管理委主任)
楊金山(成都軍区副指令員)
王永春(ペトロチャイナ副総経理)
李春城(四川省委副書記)
万慶良(広州市委書記)
 万はまず関係ないとしても、楊を除く4人は周永康関連で引っ張られていますし、楊自身は恐らく薄熙来繋がりではないかと考えられます。

 四中全会公報では周永康に関する報告は出ていません。薄熙来でも6ヶ月以上かかっていますし、当然かと思いますが、未だに関係を匂わせる人物の失脚が追加されるなど、本日25日に開催された中央紀律委の第4回全会でも進展は報告されなさそうです。

 
 中国メディアに薄熙来との関係をこうもあけすけにほのめかされて、はいそうですかとそのまま書き写すのもしゃくなのですが、通常の党員より遅れて、しかも調査対象であったことが公表されていなかったというのは、解放軍が例え汚職軍人の摘発であれ、通常の党員とは同じようには進められないことを示唆しており、なかなか興味深いものがあります。
posted by aquarelliste at 23:38| Comment(7) | TrackBack(0) | 消息 | 更新情報をチェックする

2014年10月21日

中紀委の手が海外にも及んできたが、抑止力になるか

 10月20日、外交部はオーストラリア警察が中国の官僚による資産持ち出し捜査に協力し、身柄の引き渡しを行うとの合意を取り付けた、と発表しました。

 中国人官僚の逃亡先として多いのが米国、カナダ、オーストラリアの3国で、これまで犯罪者引き渡し協定を結んでいなかったオーストラリアは格好の逃亡先でした。

 今回の合意に、外交部は「世界の果てまで逃げても必ず捕まる」と自信をのぞかせています。まんまと逃げられてるのに何ほざいてるんだという気もしますが、資産の差し押さえもやるそうです。
豪警察、中国高官の違法な資産持ち出しで捜査に協力へ ロイター 2014/10/20

そこでターゲットになっているのが、オーストラリアに逃亡して12年となる高厳さん。

 吉林省委副書記から雲南省委書記に転出し、国家電力公司総経理という昨今流行りのポストまで来たところで、謎の失踪であります。


逃亡生活12年の高厳・元雲南省委書記が主要な目標に(雲南信息報 2014/10/20)



 雲南省時代には省内で盛んなタバコ業者に便宜を図って2万ドルを、また高自ら省内でタバコを生産する紅塔集団に接触し、180万香港ドルを受け取った、という設定になっています。

 中央入りした後はどこの放送局だかの女子アナを囲い、病気治療を名目に足しげく上海に通っては、集団からもらった別荘や集団が費用を持ってくるホテルに入り浸る、高級車をもらう、出どころ不明の人民元と外貨を愛人が持っている、一族郎党を電力事業のポストに就ける、という絵に書いたような汚職官僚として描かれています。

 2002年9月にオーストラリアに逃亡し、香港ドル、米ドルなど500万元(約8500万円)が持ち出されており、1年後の11月に党籍はく奪、公職解任処分となりました。

 とは言え、これまで手も足も出せなかったのですが、今回の協力取り付けで高厳以外にも海外に逃亡していると言われる国営企業の幹部16000人の身柄と、彼らが持ち去ったとされる8000億元(約13兆6000億円)の回収が視野に入ってきました。

  紀律委は7月に中央反腐敗協調小組国際逃亡犯工作弁公室を立ち上げ、副書記の黄樹賢をトップに、最高人民法院(最高裁)、最高人民検察院(検察庁)、外交部、公安部、国家安全部、司法部、中国人民銀行からの出向者でメンバーを固め、データの共有化や協力関係の強化を図っているようです。

 持ち出されたカネは、使われてしまって大した額にはならないでしょう。今まで安全だった海外も危ないと思わせることで、逃亡を減少させることに重きが置かれている考えられますが、汚職出来ないシステムが無いので、別の抜け道に走るだけでしょう。

 ところで、この件を伝える新華ニュース。「中国国営電力会社の元総経理や、吉林省の元省長、中国共産党雲南省委員会の元書記」。3人いそうな書き方ですが、これは全部高厳の肩書ですからね。
タグ:中紀委
posted by aquarelliste at 22:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 消息 | 更新情報をチェックする

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