2014年09月30日

お元気な江沢民と、欠席の胡錦濤。建国65周年イベント

 膀胱がんが悪化し、死亡説が流れていた江沢民が、建国65年記念行事に登場しました。5月のプーチン会談以来ですね。
まだ出てくる江沢民のしぶとさ 2014/5/29

 ちょうど死亡説が流れたころ、外交部が「その話は初めて聞いたので」と即座に否定しなかったので、余計に疑惑を深める結果になってしまいましたが、元気に出てきました。

国慶節65周年音楽会「美しき中国 光栄なる夢」北京で開催 習近平、李克強、張徳江、兪正声、劉雲山、王岐山、張高麗、江沢民が出席、観覧(新華社 2014/9/29)

 江沢民は昨年の1月に党中央宛に「他の常務委員と同じ扱い」を希望する書簡を出し、序列が総書記の次から現役常務委員の後ろに動きました。

 しかし、その後に開かれた両会は欠席し、その他党関連のイベントにも顔を出していないので、文字上は現役政治局委員の前に急降下したものの、実際の扱いがどうなるのかは不明なままでした。

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※後ろには李鵬やら曾慶紅やら

 昨日、久々に表れた江沢民は、習近平の向かって右。ポジションはリカちゃんより上の第2位ということになります。

 昨年3月の両会では、国家の行事との位置づけから胡錦濤が習近平より序列が上になっていましたが、引退後は江沢民の謎書簡に引きずられて【現役常務委員>胡錦濤>現役政治局委員】となったのですが、最新序列だと【現役政治局委員>胡錦濤>引退した常務委員経験者】となり、さらに序列が低下しています。

 毎年旧正月前に古参幹部を慰問する恒例のイベントでは、「江沢民、胡錦濤らを慰問」と別格扱いだったので、確定するまでは結構フラフラするものなのかもしれません。

 これは文字上の話で、今回のように党関連のイベントに江沢民や胡錦濤が出席し、文字上と同じように扱われたわけではないのですが、今回の江沢民に対する扱いを見ると、少なくとも江沢民は旧来と同じポジションに鎮座し続けるのだと思われます。

 ただ、「完全引退」した胡錦濤が不在なので、江沢民だけの特例なのか、総書記2人に適用されるのかはいまだ不明なのです。
posted by aquarelliste at 11:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 高層動態 | 更新情報をチェックする

2014年09月28日

根こそぎやられている山西省

 かなり間隔が空いてしまいましたが、前回の続きを。

 3日、省委機関紙の山西日報が、交代をした省指導幹部大会における、王儒林・新書記の講話を掲載しています。

全省指導幹部大会における講話(山西日報 2014/9/3)

 演説で王儒林は、「思考明晰、経験豊富」と前書記の袁純清を評価したものの、「中央が自分を山西省委書記に任じたのは、中央が自分を高く信頼しているからだ」と発言。袁には状況を打破する力も無ければ、もはや中央から信頼されていないと言っているのも同然です。

 一方で書記を解任された袁は、「劉雲山同志の講話において、山西省の党風清廉政治建設と、反腐敗等背負うで起きた重大な問題に対し、厳粛な批判を行った。省委書記として、指導的責任がある」と、批判があったことを認めています。

 中央が山西省の交代劇を重視しているのは、前回も書いたように、省委書記クラスの交代宣言をやる組織部副部長ではなく、正部長たる趙楽際が出向き、常務委員である劉雲山を送り込み、さらに「中央は山西の工作に特殊性を高度に重視している」との王儒林発言からもわかる通りです。

 では、11人いた省委常務委員4人が解任された原因である、重大な紀律違反や汚職といった決まり文句の中身は何なのか。

 劉雲山は先の大会で「任用面で重大な問題が存在」と批判しましたが、山西省委機関紙の山西日報が、習近平の重要講話学習について15日から特集を連載。

 最終日の19日『人選、登用の不正の風を正せ』で、地元財界の大物が地下組織部長状態だったと指摘しています。

 周永康の影響下にあった四川省には劉漢が同じような役割を果たしていましたので、地下組織部長は何も山西特有の話ではないのですが、山西省にも張新明という大物が地下組織部長として跋扈していたことを指しているのでしょう。

 なお、本物の組織部長は9月4日付で離任し、後任に湖南省の盛茂林副省長を呼び寄せています。

 山西省は特に地元出身で地元から動かない官僚が多く、地元に密接に結びついて「関係」を構築したことが、今回の事態を招いたと党中央は考えているようです。

 なので、しがらみの外部からトップの書記を送り込んだ訳ですが、袁にしたってよそ者ですしね。党中央の強い支持がある王さんもしばらくは期待されるでしょうが。

 以前に当ブログでも取り上げた侯伍傑などは山西省の問題の権化みたいな存在で、山西生まれの山西育ち。2004年に双規処分を受けるまで、省府の太原市委書記や、省中央党校校長などを歴任していました。

 当時の売官が咎められてタイーホの運びとなったのですが、身柄を拘束した省紀律検査委に「オレをどうこうするつもりなら、山西の役人は大半が全滅するぞ。2,300人は固いな」とうそぶいたとか。
元省委副書記出所にお友達がお出迎え 2013/2/17

 脅しになっていないような気もしますが、2006年に懲役11年の判決を受けたのに、昨年2月に繰り上げ出所していたり、その出所にあたってかつて部下だった地元の官僚や、カネの出どころだったと思われる炭鉱の経営者が勢ぞろいしてのお出迎えをしており、依然として密接に結びついていることがわかります。

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※山西内部の位置関係が分かりやすい地図

 同様の売官行為は呂梁市でも起きており、中央紀律検査委の職員が現地入りし調査していると、陳川平(太原市委書記)、 聶春玉(省委秘書長)失脚が確認された翌日に市委拡大会議で公表されています。

 こちらは2009年に始まった県長推薦制度で賄賂が飛び交っており、当時の市指導者が中紀委の取り調べを受けています。

 前述の2人は時期が重なっておらず、失脚とは関係無さそうですが、この2人に加え杜善学、白雲らも呂梁市指導部にいた経歴があり、呂梁問題は根深いのでしょう。

 呂梁は現役の市長が解任、副市長が取り調べを受け、地元財界のトップ、柳林聯盛集団の邢利斌董事長を皮切りに、芋づる式に現地企業のトップが次々と逮捕されています。

 呂梁に次いで売官の状況が酷いとされている運城市では、王茂設・市委書記が解任され、王が抜擢した幹部が追及を恐れてか自殺の事態に。

 さらに、陽泉市紀律委書記、晋城市常務副省長が相次いで連行されるなど、反腐敗運動は全省に広がる気配を見せています。

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※見切れそうな一番左

 なお、四中全会(10月13日から2日間)前に、中紀委の取調べを受けるだろうと噂されている前書記の袁純清は、汪洋のお供として久々に現れました。中央農村工作領導小組副組長をちゃんとやっているようです。まあ、無能で処理されたんだから、この扱いでも仕方ありませんね。
posted by aquarelliste at 12:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 消息 | 更新情報をチェックする

2014年09月02日

山西省がきな臭くなってきた

  今年に入り物凄い勢いで省高官が次々と双規処分を受けている山西省。中には周永康に近いと噂される令計画・中央統一戦線部長の兄・政策氏も含まれています。

 今年に入ってからの山西省高官の失脚をまとめてみました。
 
2月27日 金道銘・省人大副主任
6月19日 杜善学・副省長、令政策・政協副主席
8月23日 聶春玉・省委秘書長、陳川平・太原市委書記
8月29日 白雲・統一戦線部長、任潤厚・副省長
 あらためてまとめると、焼け野原状態ですね。

 1日、ついにトップの書記が解任されました。普通に考えれば引責辞任ですが、そうではありませんでした。

山西省委主要責任同志の職務調整 王儒林が省委書記に(新華社 2014/9/1)

 先日吉林省委書記を解任され、他に職務が用意されているという意味の、「另有任用」状態となっていた王儒林が山西省委書記にスライドし、これまで書記を務めていた袁純清が解任されています。

 それだけなら単なるトップ交代に過ぎないのですが、通常であれば副部長が担当すべき省委書記の交替宣言を、中央組織部長の趙楽際自らが行っているのです。

 私の記憶では、部長自らが出張ったのは、王楽泉、薄熙来といずれも政治局委員の解任だけだったはず。通常の交替ではないことを示唆しています。

 さらに、常務委員の1人である劉雲山が、交替を宣言した省委指導幹部大会に出席。常務委員がこの手の大会に出てきたことってありましたっけ?しかも発言は袁純清に対する死刑宣告のような内容です。

 「山西省の政治生態には少なくない問題が存在し、党風・清廉な政治の建設と反汚職闘争の形成は非常に厳しい」と問題を指摘した上で、「山西省委は真剣に汚職事件を真剣に総括」するよう求めています。

 袁は公式では「另有任用」ですが、実際には全国人大の環境資源保護委員会副主任か、中央農村工作指導小組副組長と、いずれにしても閑職をあてがわれる模様。しかし、そのまま北京に護送のような気が。

 そういえば、8月30日に開かれた、党中央に対する白雲、任潤厚処分への支持表明大会では、袁の名前は出てきませんでした。

 同日午後から開かれた省政府会議では、李小鵬が会議を主催したことがしっかりと書いてありますし、29日に省委書記名義で袁が『求是』紙に反腐敗をテーマとした文章を掲載していますので、30日の会議前に書記を解任されたと思われます。

 となると、新しく山西省の書記となった王儒林や、王の後任として省長から昇格した巴音朝魯、省長代理となる蒋超良(前中国農業銀行董事)は習近平がそこそこ信用しているということになりますね。

 山西省の一連の失脚劇は政財界の癒着が原因となっていますが、時を同じくして、省内最大の国営企業で、晋能集団の劉建中・董事長、曹耀豊・総経理が連行されています。

 この2人は殺人教唆、詐欺、マネロン、賭博、贈賄、売官と悪事には一通り手を染めたことになっている金業集団の董事長で、省の地下組織部長の異名を持つ張新明に関連しての逮捕となっています。

 これは楽しくなってきましたねえ。今のところは無傷の李小鵬もただでは済まないかもしれませんよ。
posted by aquarelliste at 08:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 消息 | 更新情報をチェックする

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